妊娠14週目を過ぎ、妊娠15週目に入ると妊娠4ヶ月の最終週となる時期。お腹の出方もわかりやすくなってきて安定期まであと少し。また、流産の心配もだいぶ少なくなり心と体に余裕が感じられるように。そんな15週目における

  • 妊婦さんのお腹の出方・大きさから見る赤ちゃんの様子
  • 妊娠15週目で心掛けたい過ごし方

についてお伝えします。

妊娠15週目、妊婦のお腹の大きさや出方・様子

お腹の大きさ・子宮の大きさ

ママの子宮は乳児の頭ほどの大きさに、ママのお腹は血管を圧迫するほどの大きさになります。

お腹が大きくなると、お腹の張りや痛みも増えるので締め付けの無い衣類やマタニティインナーなど着用しましょう。

子宮の位置によってお腹の大きさには個人差があるので「まだお腹が出てない・他の人より大きくなるのが早い気がする」などは気にする必要はありません。

お腹の張り・痛み・腹痛

子宮が大きくなり、それを支える靭帯に痙攣が起きてお腹の張りや痛みを感じるようになります。症状を感じたら無理せず楽な姿勢をとりましょう。なお、靭帯の痙攣は温めることで緩和されることもあります。

お腹の出方には違いが

お腹の出方はママの骨盤の形が大きく関与しています。例えば骨盤が広いほど子宮を包み込むことができるのでお腹が前にせり出さない傾向に。また、胎児の発育の状態(大きさ)によっても変わってきます。

つわり

つわりが落ち着き食欲も戻ります。生活リズムを少しずつ整え無理のない範囲で散歩など軽めの運動をはじめましょう。気分転換・ストレス解消にもおすすめです。

  • 【参考】一人目、二人目でつわりの具合は違う?

「上の子のときの方がつわりがひどかった」「二人目の方が楽な気がする」など、二人目のときは一度妊娠を経験しているため楽に感じる場合もあるようです。この辺りの感じ方は個人差があります。もし15週目でもつわりが大変な場合は「 15週なのにつわりがまだ終わらない時、乗り越えるにはどうすれば?」もぜひご参考になさって下さい。

便秘

女性ホルモン(プロゲステロン)の影響で腸の働きが低下し便秘になりやすい状態。また、大きくなった子宮に内臓が押されることも便秘の原因として影響します。小まめな水分補給で便秘対策をしましょう。

なお、この妊娠中の水分補給なら「妊婦さんの水分補給に】妊娠中におすすめの飲み物16選。」の記事で詳しくお伝えしてますので、ご参考になさってください。

胎盤が完成

胎盤がようやく完成し、胎盤を通じてママの栄養が胎児へ届けられます。卵膜は絨毛膜と羊膜の二重構造になります。この先どんどん成長していく胎児の大きさや羊水量に合わせ、耐えられるだけの強度が備わってきます。

体の冷え

子宮が大きくなることで骨盤内の血管が圧迫され血流が悪くなりやすくなるので冷えを感じやすくなります。

体を冷やさないよう衣類の調節する・温かい飲み物(ハーブティーなど)を飲む、など体を芯から温めましょう。また、湯船にゆっくり浸かる・足湯も効果的です。

むくみ

妊娠すると体は水分を溜め込みやすくなり、下半身中心にむくみやすくなります。

むくみを気にして水分摂取を控えてしまうと逆にもっとむくみやすくなってしまうので、しっかり水分摂取をして体内に溜まった老廃物を排出してください。なお、むくんだときは軽いマッサージやストレッチが効果的です。

貧血|鉄欠乏性貧血

「鉄欠乏性貧血」は妊婦に多い症状のひとつ。妊娠中はお腹の赤ちゃんに血液を届ける必要があるので通常より血液量が増えますが、その濃度は1人分のまま。

つまり、濃度が薄まった状態の血液が体を巡っている状態になるので貧血になりやすい状態です。もともと貧血気味だった人は更に影響を受けやすいです。

普段の食生活から鉄分が多く含まれる肉・魚・大豆製品・緑黄色野菜を積極的に摂るように心がけましょう

腰痛

できるだけ立ちっぱなしの作業を避け、骨盤ベルトでサポート・寝るときの姿勢や体の向きを工夫、など腰痛の緩和を心がけてください。

妊娠性鼻炎|鼻血・鼻づまり

妊娠して体内の血液量が増加すると鼻の粘膜が充血して腫れ、鼻血や鼻づまりを起こすことがあります。

黄体嚢胞

排卵後に黄体内に液体が溜まって嚢胞が出来てしまう黄体嚢胞。生理のある女性なら誰でも起こりえる症状です。

特に妊娠中はhCGホルモンが黄体ホルモンを刺激し嚢胞が出来やすい状況にあります。嚢胞の大きさが5cm程度なら自然に縮小・消失するケースが多いです。

後期流産の可能性

安定期までもう少し、妊娠中期にも近づく妊娠15週目ですが、まだ後期流産の可能性もあり注意が必要です。

疲れやストレスも流産に影響します。ママはできるだけストレスを溜めないよう、疲れたら休む・無理をしない、など心がけてください。

出血や腹痛

出血や腹痛がみられたら流産の兆候症状。「妊娠15週の腹痛の状態は大丈夫?ズキズキ・チクチク・出血は?」でもお伝えしていますが、すぐ医師に相談してください。

妊娠15週目、赤ちゃんの様子

平均的な大きさ・重さ

平均的には体長約10~13cm、重さ約40~100gほど。羊水の中で元気に動き回っています。まだ赤ちゃんの大きさには個人差が出やすい時期なので、仮に平均より小さめでも特に心配する必要はありません。

 関連記事  妊娠15週2日(15w2d)のお腹の赤ちゃん大きさ・様子は?

15週の赤ちゃんの位置

まだお腹のふくらみがで始めたばかりのため、位置がこれまでと比べ大きく変わることはありません。

身体の基本的な部分が完成

骨や筋肉が発達し細部までできあがります。透き通っていた皮膚は不透明になり身体には産毛、頭には髪の毛が生えてきます。また、手足の指には指紋もでき、赤ちゃんの顔にも表情が生まれより人間らしい姿になりだします。

活発に動き出すが胎動はまだ

脚が伸びてより活発に動き回るように。光を感じ、ママの声も聞こえるようにもなりるので、お腹に強い光を当てられると逃げるように反応することもあります。ですが胎動まではもう少し(一般的には18~20週頃)です。

吸啜反射

赤ちゃんが自分の親指を吸う「吸綴反射」が見られるように。指を舐めるだけでなく、チュパチュパとしっかり吸い付いていることが分かります。これはおっぱいを吸うための準備運動のようなもの。エコーで指を吸っている様子が見れることもあり、どちらの指を吸っているか?で利き手が決まるともいわれます。

へその緒を通じてママのストレスを共有

赤ちゃんの脳神経が発達しておりママの感じるストレスがそのまま赤ちゃんへ伝わってしまうことも。正に、一心同体な状態です。ママのストレスは赤ちゃんにも負担をかけてしまうので、リラックスして過ごせる環境を整えていきましょう。

性別確認

エコーでの見え方によって分かる場合もありますが、はっきり分かるのは妊娠5~6ヶ月頃です。

ダウン症確認

ダウン症の特徴として、心臓の動きや形に異常が認められる・首の後ろにむくみが見られる・手足が短い、などが挙げられます。近年は3D・4Dエコーなど検査精度が高くなっていますが確実な確認はまだです。

【参考動画】エコーでの様子

出典:妊娠15週目 妊娠3か月4ヶ月 エコー動画 (2010/ 2/12 15w2d)

双子の15週の場合

双子(双胎)を妊娠している場合、お腹の大きさも同時期の単胎妊娠に比べて大きくなり、お腹の張りを感じやすくなります。

また、歩いても息切れしやすい・ママが貧血しやすい・早産・流産しやすい、などあるので、絶対安静で過ごし、少しでも違和感・気になることがあればすぐに医師に相談してください。

妊娠15週目に心がけたい過ごし方

1.肥満・体重管理

つわりや不快症状が軽減して食欲が戻ってくると、それまで食べられなかった反動のようにいろんなものをたくさん食べてしまうことがあります。

妊娠中の体重管理のコツは?ストレス無くこの時期を乗り超える方法」でもお伝えしましたが、体重の急激な増加は「妊娠糖尿病」「妊娠高血圧症」「難産のリスクを増加」などの恐れもあるため、規則正しくバランスの取れた食事を心がけてください。

2.妊娠線予防

妊娠線が気持ち悪い、ひどすぎる!消すにはどうすれば良い?」でもお伝えしてるように、出来てしまった妊娠線は完全に消すことが難しいので、お腹が大きくなってくる時期から専用クリームでマッサージして妊娠線予防をしてください。

なお、強くマッサージし過ぎる・頻繁にやり過ぎるお腹にストレスがかかるのでご注意ください。また、お腹が張っている状態でのマッサージも控えましょう。

3.赤ちゃんに話しかけてみる

妊娠15週頃の赤ちゃんは耳が聞こえるようになっています。外の音・ママの声や心臓の音・ママが食べた物が消化されている音まで聞こえているのです。色々な音に敏感に反応する時期ですからママやパパはお腹の中の赤ちゃんに積極的に声をかけてみましょう。

赤ちゃんも嬉しいはずですし『これがママの声なんだ』と安心して過ごすことができるでしょう。

4.横向きで寝る練習

お腹が大きくなってきたら横向きで寝る練習をしましょう。うつ伏せだと子宮にママの体の重みがかかりますし、仰向けは動脈が子宮に圧迫されて気持ちが悪くなることもあります。横向きだと息もしやすく、子宮に負担もかからないのでママがもっとも楽にいられる姿勢なのです。

5.貧血対策

貧血はふらつき・めまいから転倒に繋がり、出産時のトラブルも招きやすいです。トラブル防止のためにも貧血予防に努めてください。貧血には鉄分・たんぱく質・ビタミンC・ビタミンB6・ビタミンB12が含まれた食材をに摂取して、食事で不足する分はサプリメントを活用して栄養補給しましょう。

6.定期健診

妊娠15週目はまだ胎動もはっきり感じることはできませんし、エコー検査をしなければお腹の中の赤ちゃんの様子を確認することもできません。検診時に初めてなんらかかの異常やトラブルが発覚することも少なくないので、「そろそろ落ち着いてきたから・・・」などと思わず定期健診は欠かさずに受けてください。

7.高齢出産の場合は羊水検査

なにかとリスクの高い高齢出産の場合、羊水検査で赤ちゃんに異常がないか?検査することも可能です。受けるかどうか?はパートナーとしっかり相談の下で決めましょう。

8.感染症

妊娠中は免疫が低下しており「カンジダ」「クラミジア」など感染症にかかりやすい状態に。感染すると子宮の収縮が起こり切迫流産に繋がるリスクがあります。カンジダやクラミジアに感染した場合、おりものに異常が見られるようになるので、おりものをチェックして、異常があった場合、医師に早めに相談しましょう。

9.子宮収縮

定期的にお腹が張り安静にしても治まらない場合、子宮収縮の可能性があります。以下の症状・兆候が見られた場合、すぐに医師の診察を受けてください。

[兆候・症状]

  • 10分間隔など、定期的にお腹が張る
  • 痛みを伴う
  • 出血が見られる
  • 横になっても張りが治まらない

10.仕事は無理しない

つわりも落ち着きすがすがしく過ごせる日が増えたとはいえ無理は禁物。職場の仲間や家族に理解してもらい無理を避けましょう。長時間立ちっぱなしの作業も控えてください。

11.母親学級(前期)

母親学級は市区町村や産院などで実施されており、医師や栄養士が妊婦さんに向けて専門的な知識を指導してくれます。他のママたちとの情報交換の場にもなるので、一人で悩んでいる人、心細い思いをしてる人にとっては安心できる場にもなるでしょう。

12.戌の日の安産祈願

15週を過ぎると「戌の日の安産祈願」というイベントがあります。これは、ちょうど妊娠5ヶ月目の最初の戌の日にお参りすることで安産を祈願するという日本独特の風習になりますが犬のお産が安産だ、ということから生まれたといわれます。このときに初めて腹帯をするのが良いともいわれてます。

13.パパの理解

妊娠生活をより快適に、不安無く過ごすためにもパパの理解が欠かせません。タバコを控えてもらう・家事を手伝ってもらう、などママをサポートしてもらことで自然とパパにも「父親としての自覚」が芽生えてきます。一番身近な存在であるパパにも一緒に頑張ってもらいましょう。

14.ママとお腹の赤ちゃんのための体づくり

ママ自身が無理をしない、この時期のお腹の赤ちゃんに悪影響なことを避けるなど、お腹の赤ちゃんが無事生まれてくれるためのママと赤ちゃんのための体づくりを心がけて過ごしましょう。

葉酸 神経管閉鎖障害

なお、お腹の赤ちゃんが健やかに成長するためにこの時期妊婦さんが摂取しておきたいのが葉酸です。

お腹の赤ちゃんの成長が著しい妊娠初期時に葉酸が不足すると無脳症や二分脊椎など、先天性異常のリスクが高くなることが分かっており、厚生労働省からも妊活中の女性や妊娠初期の妊婦さんには葉酸の摂取が推奨されています。

厚生労働省

出典:厚生労働省

葉酸は緑黄色野菜などの食材にも含まれていますが、妊娠時に必要な1日の葉酸量は普段の食事だけで補うことが難しいため、厚生労働省でも妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月までは普段の食事から摂取できる葉酸に加え、付加的に1日400μgの葉酸を食事以外の栄養補助食品(葉酸サプリ)で摂取することを推奨しています。

参考出典:厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」
参考出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」
参考出典:葉酸普及研究会

  • 日本の先天性異常のリスクはアメリカの8倍!

例えば、アメリカやイギリスでは葉酸摂取によって、胎児神経管閉鎖障害の発生は、この10年間で約10分の1に減少した。一方、日本では、葉酸摂取の重要性の啓発に対する効果が未だ見受けられず、この10年間で胎児神経管閉鎖障害の発生率は漸増し、アメリカの8倍、イギリスの6倍となっているのが現状である

出典:葉酸摂取による胎児異常発生予防|日本産婦人科医会

なお、日本産婦人科医会によると日本では葉酸の重要性への理解が進んでおらず、その影響でアメリカの8倍、イギリスの6倍も先天性異常が発生している現状となっており、葉酸への理解が少ない現状が大きく心配されています。

そのため、「妊娠初期に摂りたい葉酸サプリおすすめランキング|先輩ママも愛用!」でもお伝えしたように、特に妊娠初期は葉酸不足にならないよう妊娠初期時に必要な葉酸量をサプリを活用して補ってくださいね。

  • 参考:おすすめ葉酸サプリ

\ 妊娠初期に必要な葉酸を摂取できる!ベルタ葉酸サプリ /

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安定期をめざして

妊娠15週目は安定期の一歩手前の段階。高温続きだった体温も平熱に戻り、それまで感じでいただるさ・倦怠感も消失してだいぶ過ごしやすくなります。

お腹の中の赤ちゃんも日に日に大きく成長していくのを実感し出すタイミングですから、ママもますます「ママらしく」なるでしょう。安定期を目指し、お腹の赤ちゃんの成長を助ける生活を心がけてくださいね。

【参考】

この一週前は「妊娠14週目、お腹の大きさ・赤ちゃんの様子は?症状や過ごし方は?」で紹介しています。