• 産後になったら腰が痛い

特に初産のママさんだと「どうして痛いのか?」「いつまで続くのか?」など、初めての経験でわからないことも多く、心配になってしまう方もいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、産後の腰痛の辛さ(つらさ)をどう改善し、どう乗り越えていくのか?についてお伝えしていきます。

出産後の骨盤はユルユルな状態

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産後6~8週間は「産褥期(さんじょくき)」とよばれ、妊娠前の体に回復しようと色んな変化が起こります。子宮が元の大きさに戻ろうとする子宮復古、それに伴う後陣痛、悪露の排出、会陰切開の痛み。ホルモンバランスは崩れ、骨盤内の靭帯はのびて骨盤はユルユルに、などなど、言葉で言いあらわす以上にハードな状態といえるでしょう。

ですがこの時期は今後のママにとって大事な期間。暇を見つけて赤ちゃんと一緒に寝たり、パパに家事を助けてもらうなど、無理せずママ自身をいたわることを心がけていただきたいです。

産後の腰痛になる5つの原因。どうして腰痛になりやすい?

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1.産後は骨盤が開いた状態が続き、骨盤がゆがみやすく腰が痛くなる

産後の腰痛の根本的な原因は、骨盤のゆがみです。出産時、リラキシンというホルモンの働きによって、骨盤周辺の靭帯はゆるめられ、赤ちゃんが通過しやすい状態になっています。

広がった骨盤は、産後数ヶ月かけて元に戻るのですが、きちんともどらないと骨盤のゆがみに繋がり、これが原因で腰痛が発生してしまいます。骨盤のゆがみは頭痛や肩こり、全身の血流などにも影響し、気になる下半身太りなどスタイルの崩れを引き起こします。産後から意識して対策をとっていきましょう。

2.授乳・だっこ・おむつ交換などで無理な姿勢が続く

育児には常に無理な姿勢が伴います。新生児の頃は1時間おきに前かがみでの授乳が必要だし、泣きやまない時はおんぶにだっこ。これだけでも腰に負担がかかりそうですが、何度もオムツ交換したり沐浴したり、寝るときも一緒の布団で添い乳するなど、一日中ママは不自然な姿勢をとることが多くなります。育児に必死なので、自分の体に負担がかかっていることに最初は気づかないのですが、疲労は確実に蓄積しています。

関連記事:赤ちゃんの正しい授乳姿勢や抱き方まとめ。楽な姿勢が必要な理由とは?

 

3.妊娠中の運動不足による、筋力の低下

意外と見落とされているのが、ママ自身の筋力の低下。妊娠中は赤ちゃんが気になり、ハードな運動はなるべく避けてきたため、足腰の筋力は妊娠前と比べ落ちていることが多いです。そのため腹筋も背筋も衰えており、腰を支える力が低下している結果、腰痛につながりやすいのです。

4.ストレス

産後の慣れない育児では疲れたりストレスが溜まることも増えてくるかと思います。ストレスは自律神経のバランスを崩し、血行を悪くする原因にも。血行の乱れが腰痛を引き起こすこともあります。

5.睡眠不足

ストレスとも近いですが、育児疲れの一環で、夜ぐっすりまとまって寝れる時間が無い、そのため睡眠不足になってしまうママは億います。睡眠不足は体に疲労を溜め血行を悪くしてしまう原因にもなるので、その結果、腰痛が引き起こされる可能性があります。

【参考:産後腰痛の体験談】

[surfing_su_quote_ex cite=”Yahoo!知恵袋” url=” http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10114710330″]
産後から腰痛がひどくここ最近激痛で歩行困難になってしまうくらいひどいです。
今現在27歳2歳の男の子がおり、専業主婦をしております。
妊娠、出産してから腰痛持ちになってしまいました。
今まで腰痛なんて
私には縁がないだろうと思っていたくらい元気に歩き回っていたタイプです。
妊娠後期からひどく、産後退院して育児するのも抱っこするのや前かがみになったり、しゃがむのも辛くなっていました。
[/surfing_su_quote_ex]

このように、産後の腰痛は場合によってはかなり大変な症状に陥ってしまう可能性もあるので軽視はできません。長引けば長引くほどに後々大変になってしまいます。状態によっては育児にも支障をきたすこともありえます。

よって、後で大変な思いをしないためにも、少しでも気になり始めたら腰痛軽減対策をとっていくようにしましょう。

自宅でもできる!産後の腰痛を軽くするための12の対策

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1.同じ姿勢をとり続けない

一般的な腰痛でも言えることですが、とにかく同じ姿勢をながく続けることは好ましくありません。例えば、授乳時。特に産後すぐで赤ちゃんが小さいころは、吸綴(きゅうてつ)力が弱く、ママも飲ませようと必死になるためどうしても前かがみになってしまうもの。そのため、同じ姿勢で窮屈な状態になってしまいがちです。

とりわけ新生児のころは吸う力が弱くて授乳させるのにも時間がかかります。また、少し慣れてきても「遊び飲み」をしはじめて時間がかかり、なんて悩みも続けさまに。上手に授乳期間を過ごそうとすればするほどに、ママの姿勢は同じような姿勢のママになってしまいがちで、同じ姿勢は、腰痛の原因になってしまいます。

2.授乳クッション

なお、同じ姿勢をとり続けない・軽減させる手段としておすすめなのが「授乳クッション」。授乳クッションは長く使えますし、特に赤ちゃんが小さいころであればあるほどに重宝しますよ。

【参考】白井産業 日本製 のっけて授乳クッション ギンガムグリーン

 

また、授乳クッションは授乳だけでなくお昼寝やオムツ交換のときにも使え便利です。カバーはもちろん、クッションも洗濯できるので、清潔さを保つこともできます。

3.骨盤ベルトを着用する

これは腰痛にはもちろん、お尻の痛みや骨盤ケアにも効果的。 色んな種類がありますが、それぞれ「つけ始める時期」「サイズ」「素材」が違うので細かく吟味してみてください。

装着時は、「恥骨」と「大転子(だいてんし)」のラインに骨盤ベルトを巻いて使用し、巻いたあと手がスッと入るぐらいの余裕を持たせることがポイント。

骨盤矯正ベルトは産後だけでなく、妊娠中から腰痛があった人でも購入し、産後まで長く利用することも多いです。最初は装着が難しいかと思いますが、慣れてくると自分に合った位置がわかり、骨盤関節が“キュッ!”と締まった感覚が得られ気持ちいいものですよ。

【参考】トコちゃんベルト2  サイズ:M カラー: 紺

こちらは産前・産後ともに使用可能なタイプ。実際に産婦人科におかれていたり、助産師もおススメの骨盤ケア用品として扱われています。サイズ選びは慎重に。もちろん洗濯も可能です。

 

4.産褥体操をしてみよう

産褥体操は、運動が苦手な人でも簡単にできる体操です。産後の体の回復を手助けしてくれる産褥体操は、産後一日目から出来るのでぜひ試してみて下さい。なお、産褥体操は腰痛改善だけではなく、子宮収縮の促進や血栓症予防などの効果もきたいできます。

5.軽いストレッチで筋肉をほぐす

家でも手が空いた時に骨盤体操をすることをおすすめします。一例として簡単にできるストレッチをご紹介。

  1. 仰向けで寝て、手は体の横に広げておき、脚を90度に曲げます
  2. 息を吸って吐きながら、足だけ左右交互に倒します

1~3分程度でいいので、ちょっと横になったときや寝る前などに試してみてください。毎日続けることで効果が出てきますよ。

6.重いものをもたない

重いものを持つ時の姿勢って、中腰で腰が「く」の字に曲がって前傾になりますよね。この時、やっぱり腰には大きな負担がかかってしまいます。産後は赤ちゃんのだっこや授乳で腰を酷使しているので、育児以外で負担になる動作は避けたい所です。
どうしても重いものを持ち上げなければいけない場合、中腰にならず腰をしっかり落とし、体全体で腹筋を使って持ち上げるようにしましょう。

7.体を温める

新生児は睡眠が浅く消化機能も未熟なため、昼夜問わず頻回の授乳が必要です。時には数十分おきにあげることもあり、その都度ママは服をめくりお腹を出すことになります。冬は腹巻きなどで冷え対策ができますが、夏は意識が乏しくクーラーが効いた部屋でお腹を冷やしがち。冷えは腰痛にダイレクトにつながるため、常に体を冷やさないことを意識しましょう。シャワーより湯船に浸かる、血行のよくなる根菜類を食べる、など体を温めることで予防できますよ。

8.ストレスをためない

ストレスは万病のもとと言われますが、なんと腰痛とも密接な関係が指摘されています。赤ちゃんのお世話はかわいくて癒されて楽しいですが、子育てはまだ始まったばかり。この先何年も育児は続きますから、ママ自身もリラックスできる場所を作っておかないと、息切れしてしまいます。

たまにはパパに協力してもらってカフェでお茶したり、美容院に行ったりする時間を作りましょう。時々赤ちゃんと離れた時間を作ることで、とてもリフレッシュでき、また前向きに育児を楽しめますよ。

9.整体・マッサージに行く

少々手間はかかりますが『専門家(プロ)』にお任せするのも良いでしょう。産後一ヶ月健診を受けた際、整体やマッサージをうけても大丈夫か?主治医さんに相談してみましょう。

専門家からの整体・マッサージを行った後は腰痛は軽減しますし、足のむくみ改善などもあわせてきたいができます。ただし、この方法は施術者の“腕”に左右されるところが大きいので、周りに実際に整体に通った方がいれば、先生の腕はどうだったか?など参考に聞いてからマッサージを受けに行くほうがよいでしょう。

10.寝方を改善

腰痛の緩和には“温める”ことが大切。そのため、夜寝る前にお風呂に入り湯冷めしないよう暖かい状態ですぐにお布団に入るのがおすすめです。体を温めるとことは血行を良くし腰痛の緩和を助けます。

また寝る前のスマホ・パソコンも控えたいところ。スマホやパソコンから発するブルーライトは睡眠の質に影響を与えます。就寝前はスマホ・パソコンを触らないよう注意してください。

なお、寝る環境を変えるのも効果的。就寝時間は人生の3分の1を占めるほど。就寝時に“どのような環境で寝るか?”は体に大きく影響します。体へ優しいクッション性の高い就寝環境にするよう心がけましょう。

11.ウォーキング

「ウォーキング」も産後腰痛対策として効果的でおすすめ。ウォーキングは体の筋肉の血流がよくなる助けになるので腰痛改善へとつながります。もちろん産後のデリケートな状態ですので無理は禁物。まずは週に2,3回のペースからはじめていただき徐々に毎日出来る様に体を慣らしていきましょう。またウォーキングはストレス改善も役立ちますので一石二鳥です。

12.食生活の改善

腰痛にはタンパク質・ビタミンD・カルシウム・マグネシウム、などの栄養分がおすすめ。即効性のあるものではないですが、日ごろから摂取し続けることで、徐々に体質改善の手助けになってくれます。また、食生活の改善は腰痛改善だけでなく、赤ちゃんに与えるおっぱいの質を改善してゴクゴク飲んでくれる、母乳の出を手助けしてくれる、などの働きも併せて期待できるので、そういった意味でも日ごろからケアしておきたいところです。

関連記事:授乳中の栄養補給・母乳対策におすすめの市販サプリメント9選。

 

まとめ

以上、産後の腰痛が辛いママに向けて、その原因と対策についてお伝えしてきました。

産後だからといって一息つけるわけでは無く、むしろここからが『本番』です。育児に必死になると自分のことはついつい後回しになりがちですが、腰痛を甘く見ているとそのうちぎっくり腰にもなりかねません。また、育児は短期的な話ではなく、長期で長い目で行っていくものですので、根を詰めすぎてしまうと体調を崩してあとあとに響いています。

そのため、ママ自身も自分のことをいたわりながら育児に取り組んでてみて下さい。

長く楽しく育児をしていくためにも「腰痛なんか」と甘くみないで、気になることがあればすぐにケアして、育児生活を続けていってみて下さいね。