授乳中のママは、出産前よりも自分自身の食事に気を付けなければなりません。なぜなら、ママが摂取した食事の内容が母乳を介して赤ちゃんに届いてしまうからです。とはいっても、

  • どんな食べ物を食べればいいのか?
  • 何を避ければいいのか・・・?

なかなか具体的に思い浮かばない!というママも多いのではないでしょうか?

そこで今回は、授乳中のママにとって注意すべき食べ物、積極的に摂るべき食べ物について詳しくお伝えしていきます。ぜひ参考にしていただきながら、普段の食事と照らし合わせてみてください。

授乳中の食事で注意すべき11のルール。

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妊娠中は胎児に必要な栄養だけが胎盤を通して届けられていましたが、母乳の場合はママが食べたものによって様々な影響を受けてしまいます。赤ちゃんにとって、ママの食事=赤ちゃん自身の食事なので、ママの食生活が乱れていると母乳の味や質も低下してしまい、それによって赤ちゃんが飲むのを嫌がる恐れもあれば、ママ自身も母乳がドロドロになることで起こる乳腺炎の可能性も。よって、ママは普段から意識して、食事面に気をつけていく必要があります。

1.母乳は血液から作られることを理解

母乳はママの「血液」から出来ています。ですから、まずは「血液の量を増やす」こと、「血液の質を良くする」ことが大切になります。血液は水分からできていますので、水分補給をこまめに意識しつつ、また、血液の質を良くするため「食事内容の見直しと改善」も併せて意識していきましょう。水分も一緒に摂れ、消化の良い食事を摂るように心がけて下さい。

2.水分補給を大切に

血液は体内の水分がベースになってきますが、授乳することで水分が失われてしまいますから授乳中のママは水分補給をいつも以上にしっかり心がけるようにしてください。

毎日3リットルを目標にこまめに水分補給するのがおすすめです。

なお、冷たい水は体を冷やしてしまいますので、温かいハーブティーや、「たんぽぽコーヒー」「小豆茶」などがおススメ。

母乳の出を助けるおすすめのハーブティーに関して詳しくは「母乳育児におすすめのハーブティー13選。授乳中のママの悩み対策を」でも紹介してますのでぜひご参考ください。

一方、授乳中のママが控えるべき飲み物として挙げられるのが、

  • 炭酸飲料
  • スポーツドリンク
  • コーヒー

など。

炭酸飲料やスポーツドリンクなどは砂糖が非常にたくさん含まれていますが、糖分の摂り過ぎは母乳の質を低下させてしまいますし、ママの体重管理の面から考えても控えるべき飲み物となります。また、カフェインが含まれた飲み物は母乳の質を下げるだけではなく、母乳を通して赤ちゃんに届いたカフェインは赤ちゃんに悪影響を与える可能性も。

3.体を冷やさない

体の「冷え」も母乳に悪影響を与えます。体が冷えることで血流が悪くなり、血液から出来ている母乳の出にも悪影響が。なお、体を冷やす食べ物としては、

  • 小麦
  • 生野菜
  • 生魚
  • 果物

などが挙げられます。

授乳期はこうした食べ物を少し控え、体を温めると言われている「根菜類」を積極的に食事に取り入れてみましょう。

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また、食事以外にも「ゆっくり湯船に浸かる」ことも体を芯から温めてくれるのでおススメ。まだ湯船に浸かれない場合でも、フットバスで足元だけを温めることも効果的です。

他にも足首には母乳の出に関係する「ツボ」がありますので、このツボを温めてあげることで母乳の出に良い影響を与えたり、普段からの衣服でも足首がしっかり隠れる長さの靴下を履いたり、体が冷えない洋服を着るなどと心がけてください。

4.過剰摂取に注意

もちろん、授乳中のママは食事に気をつけなければいけませんが、あまりにも完璧を求めすぎとストレスの温床になりこともありますので注意が必要です。好きなものを食べることで育児によるストレス発散にもなる方もいますし、たまには「自分へのごほうび」として、甘いものを食べるのも決して悪いわけではありません。

大切なのはその『バランス』ですので、自分できちんとコントロールしながら、時々は食事の「ハードル」を下げてあげることも選択肢として持っておくと良いでしょう。ただ、「過剰摂取」や「ドカ食い」には十分気をつけてくださいね。

また、昔は「母乳の出を良くする」とも言われていた「お餅」ですが、現在においてはカロリーも高く、母乳トラブルに繋がる可能性もでてきますので、食べる時は食べ過ぎないように気をつけてください。

5.偏食や摂食障害には注意を

特に完母の場合はとにかく空腹になるもの。これは異常なことではなく、授乳中のママにはよく見られることです。ですから、「ダイエットしなくちゃ・・・」と不安になる必要はありません。食べることで罪悪感を感じないよう、「今は食べても大丈夫な時期なんだ」と自分に言い聞かせてあげることも大切。赤ちゃんが小さいうちは、ママは体重増加を気にせずしっかり食べましょう。

それよりも、このタイミングで無理な食事制限をすることで偏食や摂食障害になってしまわないように気をつけてください。どうしても偏食気味になってしまった場合は「酵素ドリンク」で体調をバランスを徐々に整え、母乳の質を改善していくのもおすすめです。

一番は『バランスよくしっかり食べること』です。それがママにとって一番大切なことですし、結果として赤ちゃんにも良い影響に繋がりますので。

6.アルコール・カフェインは控える

授乳中は特に「カフェイン」や「アルコール」の摂取に気をつけてください。カフェインは母乳を介して赤ちゃんにも届きますので、夜泣きや興奮させる原因になってしまいますし、赤ちゃんの発育や脳に悪影響を与える可能性もあります。

もし、どうしてもそれらを摂取したいときは、一定の時間をおいてから授乳素する、というスタイルもありますが、厳密に「何時間でOK」というのは算出が難しいので、摂取後2、3日空けて、その期間中はミルクで代用、といった方が無難です。2、3日は多少オーバーかもしれませんが、デリケートな赤ちゃんのことを考えれば、決して楽観視出来ることではないので注意に注意を重ねてもおかしなことではありません。もしくはノンカフェインのたんぽぽ茶などに代えてみてください。

【関連記事】授乳中にお酒(アルコール)を飲むのは危険!飲酒がNGの本当の理由

7.糖分・脂肪分を控える

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摂取がNGということではありませんが、極力控える様にするのがおすすめの糖分・脂肪分。これらが多い食べ物は母乳の質や分泌を低下させる恐れがあるので授乳期は控えた方が良いでしょう。母乳の質に悪影響があると赤ちゃんにとって飲みにくいものへと味を変化させてしまいますから、尚更控えめにしたほうが良いですね。揚げ物、ファーストフードやスナック菓子、甘いお菓子もほどほどにするように気をつけてください。

なお、赤ちゃんの影響だけでなくママ自身の肥満防止や健康維持を考えても糖分・脂肪分は控えた方がいいですね。

出典:母乳育児はいいこといっぱい – 三好市

8.乳製品を控える

牛乳、生クリーム、バター、チーズなどの乳製品自体はNGということではないのですが、過剰摂取にならないよう摂取すること、また乳製品を摂取することで赤ちゃんが食物アレルギーになる可能性がある、といった嫌煙店はあるので注意したいところです。

出典:母乳育児とアレルギー

9.鉄分・カルシウム・たんぱく質を摂取

一般的な成人の摂取カロリーの目安は、およそ1800kcal~2200kcaほどといわれていますが、授乳期は+700kcal必要といわれています。

出典:5.女性の栄養と運動

同様に通常時の鉄が 6. 0mg/ 日(推奨)、授乳時が+2.5mg/ 日(推奨)で8.5mg/ 日、通常時のたんぱく質が50g/日(推奨)、授乳時が+20g/ 日(推奨)で70mg/ 日、通常時・授乳時それぞれカルシウムh650mg/ 日(推奨)

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」

1日に2500kcal~ともなると、激しい運動を行っている人、それこそアスリート並みの食事量が必要になってきます。併せて鉄・カルシウム・たんぱく質なども普段以上に摂取するよう意識してみてください。特に出産時の出血が多かった方、貧血気味の方は鉄分をしっかり補うようにしましょう。なお、鉄の摂取例としては赤身の肉、レバー、ほうれん草、牡蠣などがおすすめです。

10.滋養に良いものを摂取

授乳期は、一時的に「更年期~老年期」のような体になりやすく、肌の乾燥やカサつきも目立ってきます。コラーゲンの摂取も意識して、滋養に良いものを積極的に摂取するようにしてください。手羽先、えんがわ、カレイの煮つけなど、動物の髄から出る滋養を取り入れてみるのもおすすめです。

11.乳腺炎予防、サラサラな血液を目指す。

乳腺炎を起こす原因の1つに普段の食事が影響していることがあります。普段からコレステロールの値が高いと乳腺が詰まりやすくなり、乳腺炎が起こる原因にも。血中のコレステロールが高まると母乳もドロドロになり詰まりやすくなることがありますから、脂っぽいものや消化が悪いものは出来るだけ避ける(過剰に摂取しすぎない)ようにしてください。

授乳中に注意すべき食べ物は?

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特に食べ過ぎに注意が必要なものとして、

  • 生卵
  • 牛乳
  • 乳製品

があります。

これらは母乳を介して赤ちゃんに届くと、赤ちゃんの未発達な消化器に負担をかけてします恐れがあります。他にも、アルコール・カフェイン・菓子パン・生野菜・キムチなどの刺激が強いものなども同様です。

どうしてもお菓子類が食べたいときは?

  • 授乳中だけど、どうしても甘いものが食べたくなってしまったら・・・

そんな時は市販の赤ちゃん用お菓子がおすすめ。

【参考:ハイハイン】

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出典:亀田製菓

もし、「それでも物足りない」という場合は、出来るだけ午前中に食べるようにしてみてください。午前中に摂取したものであれば、日中でその分を消化してくれることが多くいので、午後よりも午前がおすすめです。

授乳中におすすめの食べ物は?

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授乳中のおすすめの食べ物として、

  • 根菜類(母乳の分泌を良くする)
  • 海藻類(母乳をサラサラにする)
  • 小豆(母乳の質を良くする)
  • 赤身の肉やささみ(血や骨を作る)

などが挙げられます。
また、水分が多いメニューと組み合わせて摂ることで、水分不足の解消にも繋がります。普段の献立を考える際のご参考になさってみて下さいね。

おすすめレシピ例3選

<1.具だくさんおにぎり>

  1. ひじきを1リットルほどの水で戻し、もみ洗いして水気を絞る。
  2. にんじんを2cm程度の千切りに。
  3. 米を研ぎ、しょうゆ、みりん、塩を合わせて炊飯器へ。
  4. 昆布を10cmほど千切りにし、①と②とあさり、大豆を載せて炊飯する。

<2.チキンのトマト煮込み>

  • 鶏もも肉は一口大に切り、塩小さじ1、こしょう少々、おろしニンニクをもみこむ。
  • にんじんとレンコンは乱切りにし、たまねぎを薄くスライスする。
  • 鍋に①と②を入れ、カットトマト缶、水、ソース大さじ2、ケチャップ大さじ2、砂糖大さじ1を入れる。
  • 強火で沸騰後、中火にして30分ほど加熱する。
  • じゃがいもをすりおろして加え、とろみがつくまでよく混ぜながら煮詰める。

<3.レンコンと笹かまのキンピラ>

  1. レンコンは2~3mmの厚さで半月切りにし、酢を少々加えた水にさらす。
  2. にんじんは薄い細切り、笹かまは3~4mm幅でななめに切る。
  3. レンコンをさっとすすいで水気を切り、ごま油を熱したフライパンで炒め、透き通ってきたらにんじんと笹かまを加える。
  4. 水、酒、みりん、しょうゆをそれぞれ大さじ2、砂糖小さじ1入れて炒め煮にし、水気が半分くらいまで減ったら練り白胡麻を加え、水分がなくなるまで炒める。

まとめ

以上、授乳中のママの食事内容がどれだけ赤ちゃんに影響するか?がお分かりいただけたと思います。バランスよく食事を摂り、不足しがちな栄養素をしっかり補って授乳期を過ごしていきましょう。

ですが、くれぐれも完璧を求めすぎないようにだけは気をつけて!ストレスを溜めずに日々リラックスして過ごすことも大切です。赤ちゃんのためにも、ママ自身が心も体も元気でいること。頑張りすぎず、自分に出来ることからはじめてみましょう。

基本は普段の食事から、それでも難しそうならサプリメントで補足するなど、ママ自身に無理のかからないよう、上手に栄養を摂取してみて下さいね。

なお、普段からできる水分補給や、気持ちのリラックスにはハーブティーがおすすめ!母乳育児ママ専用のハーブティー(【参考記事】母乳育児におすすめのハーブティー13選。授乳中のママの悩み対策を)などもありますので、必要に応じて上手に併用してみて下さいね。

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