『子どもの身長がなかなか伸びなくて…』そうお悩みのママさんは少なくありません。

  • どうしたらもっと伸びてくれるのか?
  • 子供のコンプレックスにならないように何かできないか?

もしかしたらあなたもこういったお悩みをお持ちかもしれませんね?

子どもの身長に大きな影響があるのが「骨端線(こつたんせん)」と呼ばれる成長に欠かせない軟骨です。そんな骨端線は子どもの身長を伸ばすための重要な鍵となるので、その正体が分かれば身長の悩みに対して対策をすることができます。正しく対策すれば、子どもの身長を伸ばすことへの良い影響を与えることも可能です。

そこで今回は、子どもの身長の伸びに密接な関係を持つ『骨端線』について、詳しくお伝えします。

関連記事:成長期に“骨端線”を確認!子供の身長を伸ばすために出来ること

骨端線とは?

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出典:http://www.kobekids.net/shincho/kiso/kiso05.html

骨端線とは足や背骨など骨に細胞が密集している柔らかい軟骨の部分で、骨が伸びやすい軟骨組織のことを言います。この骨端線は骨が伸びる根本の部分になるため、お子さんの将来の身長の高さに大きく左右されます。「骨端線が伸びる=身長が伸びる」と言われているので、その役割はとても重要です。

骨端線のその付近には骨芽細胞と破骨細胞が密集しています。骨芽細胞は新しい細胞を作り出して、破骨細胞は古くなった骨を破壊する役割を持っています。この2つの細胞がそれぞれの活動が繰り返すことによって、骨が成長して身長が伸びていくのです。

新しい細胞を作り出してくれる骨芽細胞は、成長期にもっとも活発に働きかけているため骨がグングンと伸びていきます。ですが、大人になるとともにその活動は低下していき、骨芽細胞と破骨細胞の活動のバランスが一定に保たれると骨が硬くなって伸びなくなります。つまり、骨端線が閉じて失われた状態です。

骨端線が閉じて失われると、もうこれ以上に骨は伸びてくれません。

骨端線はどこにある?

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出典:投球傷害 成長期(10~15才)に多い症状 上腕骨上端部骨端線離開(リトルリーガーズショルダー)

骨端線は足や背骨など身長の高さに直結する関節の部分に、それぞれの骨の端にたくさん存在しています。レントゲン画像を見ると骨と骨との間に線状の半透明の境目がありますが、これが骨端線で成長線とも呼ばれています。骨端線は成長する柔らかい軟骨細胞ですので、半透明に見えるんですね。

骨端線は全ての骨にあるわけではなく、身長の高さに関わる足、膝、股などの関節や指の関節にもあります。この骨端線は大人になると骨を伸ばす骨芽細胞の活動が低下して硬くなります。レントゲンの画像では骨と骨にあった半透明の線状が無くなって骨端線閉鎖が起きている状態です。

骨端線はいつまであるの?骨端線閉鎖いつから起こる?

骨端線が残っている年齢は成長期のピークである思春期が終わるまで存在しています。骨端線を伸ばす細胞を増幅させるには、脳下垂体から分泌された成長ホルモンから肝臓で作られる「IGF-1」が重要とされています。ですが、このIGF-1は成長期で一番身長が伸びる思春期にもっとも活性化されますが、思春期を過ぎると分泌量が徐々に低下していき骨端線閉鎖が起こります。

男子の場合

一般的に骨端線が残っている男の子の年齢は17~18歳くらいです。思春期は成長ホルモンがもっとも分泌されるので身長が伸びるピークの時期ですが、17~18歳の年齢になると分泌量が減って骨端線も失われていることが多いです。骨端線閉鎖が起こる時期は成人になってもまだ残っているケースがあり、25歳くらいまでは身長が伸びる可能性があります。

女性の場合

女の子は一般的に骨端線が残っている年齢は15~16歳くらいとされています。骨端線閉鎖が起こる年齢は成人後の22歳くらいまでは伸びる可能性があります。また、女の子の場合は中学に入学する頃に骨端線閉鎖がみられる早熟タイプの人もいます。

骨端線の確認方法やお値段は?

骨端線を確認する方法は、レントゲンが設備してある病院で撮ってもらうことで簡単に知ることができます。なお、骨端線の確認方法についてはこちらの記事でもまとめていますのでご参考になさってください。

小児科では成長障害が心配なお子さんも診てもらうことができますし、骨端線も調べてもらえます。小児科の対象年齢は15歳なので、お子さんが高校生だから診てもらうのは気が引ける、という場合は整形外科で調べてもらう方法もあります。

骨端線を調べるだけが目的だと病院によっては拒否される可能性があるので、総合病院などあまり大きいところは避けたほうがいいかもしれません。近所にある個人開業の病院だと気軽に調べてもらえることが多いのでおすすめです。

骨端線が残っていればまだ身長が伸びる可能性も!

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高校生になる年齢だと、もうこれ以上は身長が伸びないと心配されているお子さんは多いと思います。一般的には男女とも高校生になる頃には骨端線が閉じているとされている年齢です。ですが、晩熟タイプだと骨端線が残っていることがあるため、高校生でも身長が伸びる可能性はあります。決して多くは無いですが、実際に成人の20歳を過ぎてから身長が伸びる人もいます。

ただし、レントゲン撮影で骨端線が閉じているとしたら身長はもう伸びません。まだ確認していないのでしたら身長が伸びる可能性は残っています。

骨端線が減少する理由

骨端線は身長と密接な関係性があり子どもの成長期に伸びる性質を持っています。そのため、思春期を過ぎて年齢を重ねると骨端線も減少していきます。成長期の時期は身長が伸び続けますが、大人になると身長が伸びにくくなる理由はこういう性質があるためです。

骨端線が無い(閉じている)とどうなる?

骨端線が無くなると、もうこれ以上は身長が伸びなくなります。無くなったあとに身長を伸ばすには姿勢を正すためのO脚、X脚、背骨の湾曲の矯正をするのが取り組みやすい改善法といえます。

たとえば、姿勢を正す方法はバレエやダンスなどのレッスンがおすすめです。姿勢がよくなると数cmくらいの伸びが期待できます。また、姿勢が悪いほどそれだけ伸びしろがあるということも言えますね。

骨端線が無いかどうかはっきりしない場合は、ジャンプなど脚に圧力の掛かる運動をしてみましょう。地面に足でしっかり叩いて音が鳴るくらいのジャンプ運動が重要です。バレーボールや剣道などは地面をしっかり踏み込む運動が多いのでおすすめです。

閉じた骨端線は復活・再生するの?

閉じてしまった骨端線を復活させて再生する方法は、現代の医学では存在していません。一度硬くなった骨を再度柔らかく伸びる軟骨組織の状態に復活させるのは、今の医学では難しいとされています。

骨延長手術で人工の骨を移植する手法もありますが、かなり高額な上に日本では足の長さが異なる疾患患者以外は行われることはありません。

骨端線を刺激して身長を伸ばすためには?

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成長ホルモンの作用活用

身長を伸ばすために大切なことは骨端線がある内に、成長ホルモンをできる限り多く分泌させて軟骨組織をたくさん作ることです。

成長ホルモンの作用活用という意味では睡眠がもっとも効果的で且つ簡単です。「寝る子は育つ」という言葉があるように身長を伸ばす条件の内もっとも重要なのは睡眠です。

その理由は、睡眠中は成長ホルモンがもっとも分泌されるからです。睡眠で成長ホルモンが一番分泌される時間帯は夜22時~2時の間ですので、睡眠の邪魔をさせない環境づくりも重要になります。

普段の食生活

普段の食生活は身長を伸ばすための原料となるので非常に大切です。

骨を作るために必要な栄養素はたんぱく質、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、アルギニンなどは不足しないように摂取しましょう。

特にカルシウムは日本人が不足しがちと昔から懸念されている栄養素です。その他に亜鉛、マグネシウム、アルギニンが不足しやすいです。ただし、栄養が偏っても身長は伸びませんので、バランスの良い食生活を心掛ける必要があります。

専用サプリメントで栄養補給

身長を伸ばすために必要な栄養素を食品によって含有量や吸収率もバラバラなので、食事だけで必要量を摂取するのは難しいです。そういう場合はサプリメントを利用すると身長を伸ばす上で大切な栄養素を不足することなく補給することができます。サプリメント選びについてですが、以下の3つの栄養素が含まれるものが効果的です。

1.コラーゲン(たんぱく質の一種)

コラーゲンはたんぱく質の一種で骨端線の軟骨組織に含まれる成分になります。ですから、コラーゲンの材料となるアミノ酸が豊富に含まれるサプリメントを選ぶようにしましょう。

2.カルシウム

骨や歯の元になる栄養素ですが日本人が不足がちですのでサプリメントで補給するようにしてください。

3.マグネシウム

マグネシウムとカルシウムをバランス良く摂取することで丈夫な骨が作られます。マグネシウムはカルシウムと深く関わる働きを持っているため、カルシウムの摂取量が増えたらマグネシウムの必要量も増えます。

専用のサプリメントで上手に栄養補給を

上記の栄養補給、普段の食生活からできるようでしたらそれが一番!ですが、忙しい毎日を過ごしているとなかなか上手に必要な栄養補給が出来ないこともありますし、中には食べ物の好き嫌いで栄養補給が上手くいない、なんてことも。そんなときは子供の成長期や身長の悩み専用のサプリメントで栄養補給をするのも選択肢の一つです。

まとめ

今回は子どもの身長を伸ばす鍵となる骨端線についてお伝えしました。

骨端線は成長期が終わって閉じてしまうと、これ以上はどう対処しても骨が成長して身長が伸びることはありません。ですから、お子さんの成長期にできる限りのサポートをしてあげてください。

栄養面についてはお子さんのカルシウムが不足しても、実は骨からカルシウムを取り出して補っているのです。この状態が続くと骨の成長に悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。

毎日忙しくて栄養が不足しないように献立を考えていただき、もし、食事の準備をするのは大変な場合はサプリメントをうまく活用するなどして、必要な栄養分を摂取するように心がけてみてくださいね。