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さい帯血バンクとは?ステムセル研究所と専門医に聞いた、さい帯血の役割と保管が大切な理由。

 2017/05/10 妊娠 特集 育児
 

近年、需要が増えつつある出産時における赤ちゃんのさい帯血保管

すでに欧米諸国では一般的な措置として広まっている一方、まだ国内では民間でのさい帯血保管の意義について理解が進んでいないのが現状。そのため、出産を迎えるママ達も「さい帯血バンクと言われても何のことか?」と疑問に思うことも多いかと思います。

そこで今回は、民間さい帯血バンクでシェア90%以上を占めている「ステムセル研究所」、さい帯血移植の専門家である幸道秀樹先生(東京都立多摩総合医療センター血液内科)より

  •  さい帯血とは何か?その役割やメリットは?
  •  出産時、赤ちゃんのさい帯血を保管しておくことの重要性(さい帯血バンクの利用)

など、詳しいお話を伺わせていただきました。

これから迎える出産の際、さい帯血をどうするか?判断に迷われているママはぜひご参考になさってください。

ご挨拶

それでは本日はよろしくお願いいたします。


※写真左、株式会社ステムセル研究所の土山覚史様、写真右、幸道秀樹先生。

こちらこそ、本日はよろしくお願いいたします。
本日はさい帯血さい帯血バンクについてお話しをさせていただきますね。

民間さい帯血バンクの『ステムセル研究所』について


東京都港区新橋に位置する国内最大手の民間バンク「ステムセル研究所」

まずはじめに、弊社(ステムセル研究所)についてご紹介させていただきます。

ステムセル研究所は1999年に設立された、国内初の民間さい帯血バンクとなります。なお、現在は民間さい帯血バンクでシェア90%以上を占めています。

さい帯血バンクとは?

赤ちゃんのへその緒を専門用語で「さい帯」といいますが、へその緒に含まれ、出産時にしか取れない血液を「さい帯血」といいます。このさい帯血を保管し、将来の治療につなげていくのが私たち「さい帯血バンク」の役目です。


さい帯血から細胞を分離・抽出している様子


さい帯血細胞を凍結する特殊なフリーザー

ステムセル研究所では、お預かりした赤ちゃんのさい帯血を長期にわたり保管し、赤ちゃんが成長していく過程で何らかの病気を発症した際、お預かりしたさい帯血を活用し、病気の治療へと繋げていくお手伝いをしております。

再生医療・細胞治療によって新たな治療法の可能性を


お預かりしたさい帯血の細胞を超低温で半永久的に保管します。

具体的には再生医療分野における研究や治療法の開発のお手伝いをさせていただいております。この分野では、すでに国内で小児脳性麻痺低酸素性虚血性脳症などの臨床試験が実施されております。

また、国外(アメリカ)では自閉症スペクトラム・脳性麻痺・左心低形成症候群などの臨床試験も活発に実施されています。

国内でもさい帯血の利用が円滑に

2014年には、再生医療の研究や治療を安全かつ円滑に実施するための法律「再生医療等安全性確保法」が施行され、医療機関は民間企業にも細胞の加工を委託できるようになりました。弊社としても、この法律に則り、厚生局より事業許可(特定細胞製造許可)を得て、適切に細胞を医療機関に提供しています。

なお、さい帯血を用いた研究は今日も(取材当日)ニュースで研究内容が特集されていましたし、2017年1月20日の読売新聞でも掲載されるなど、この業界では非常に注目を集めています。

さい帯血やさい帯血バンクについてさらに詳しく。


東京都立多摩総合医療センター血液内科の幸道秀樹先生。

では、ここは私から解説させていただきます。

ステムセル研究所の土山さんからもお話しいただいたように、さい帯血は赤ちゃんのへその緒からとれる血液です。このへその緒を「さい帯」と呼びます。さい帯を通じて胎児に栄養を供給しているのがさい帯血となります。なお、さい帯血は後産の前に採取されます。

さい帯血は出産時にしか採取できないため、まさに一生に1度の機会となります。さい帯血保管を考えている場合、その点に関して事前に知っておいて欲しいですね。

これは私の本職分野にもなるのですが、もともとさい帯血を利用した医療は白血病などの難治性血液疾患の移植治療として発展してきました。ですが、2005年ごろから米国を中心として、自己さい帯血による小児の中枢神経系疾患治療(赤ちゃん自身のさい帯血を活用した治療法)への可能性が報告されはじめ、それを機に保管している赤ちゃんのさい帯血をどのように活かすか?の研究が盛んに行われるようになってきました。

いまでは研究が発達するにつれて、中枢神経疾患(低酸素性虚血性脳症、脳性麻痺、難聴、外傷性脳損傷、脊髄損傷等)、自己免疫疾患、ASD(自閉症、広汎性発達障害)など、幅広い臨床試験が欧米・アジア各国において実施され報告されています。

公的バンクと民間バンクの違い

さい帯血を保管するさい帯血バンクには「公的バンク」と「民間バンク」の2種類がありますが、さい帯血バンクの利用をご検討される場合それぞれの違いを理解しておくことが大切です。

まずは公的バンクについて。

公的バンクに預けた場合は寄付扱いとなるので、自身とは異なる第三者に提供されることになります。また、公的バンクを通じて受けられる治療内容は白血病など主に血液に関する病気への治療となります。

次に民間バンクについて。

民間バンクに預けた場合は第三者ではなく赤ちゃん本人(とその家族)のために利用されます。主な保管の目的としては、脳性麻痺や、自閉症など、子供の脳にまつわる障害などの再生医療となります。

このように、同じさい帯血バンクに見えても、さい帯血の所有権も違えば使われる対象となる病気も異なります

さい帯血バンクを利用することでのメリット・デメリットは?

これは公的・民間に問わずですが、さい帯血を預ける(寄付する)ことで赤ちゃんの体調が崩れる・その後の成長に影響がある、などのデメリットはありません。またお母さん自身も同様で、デメリットとなるような影響はありません。

もし敢えて挙げるとすれば費用でしょうか。公的は寄付になるので無償提供となる一方、民間に預ける場合は費用が掛かります。もちろん費用がかかる分、何かあった際に自分のさい帯血が活用できるという最大のメリットがあるので、そう考えると決してマイナスなことでは無いと言えるでしょう。よって、身体的なデメリットなどは無いとお考え下さい。

デメリットが無い以上、裏を返せばメリットしかないわけです。そのため、さい帯血を利用することはメリット・デメリットという視点ではなく、先にお伝えした公的・民間によって扱いの違いがある、とお考えいただいた方がわかりやすいと思います。

なお、さい帯血はこれからもまだまだ発展し続ける分野です。さい帯血治療がどんな病気に対して有効か?も現時点ですべてわかっているわけではありません。しかし、さい帯血というものの特性上、幅広い症状の治療法として期待ができます。そのため、さい帯血利用については今後も引き続きより多くの方に知って欲しいと思ってます。

さい帯血バンクの利用状況は?ステムセル研究所の例

では、ここからは改めてステムセル研究所よりお話しさせていただきます。

現在、さい帯血バンクを利用してる人はどれくらい?

公的バンク、民間バンクとそれぞれ違いますが、公的バンクの場合現在(2017年3月現在)11,000件近くが治療用として保管されています。実際に寄付する方はもっといらっしゃるようですが、公的バンクとしても受け入れる基準があるので、すべてが受け入れられるわけではありません。

一方民間バンクであるステムセル研究所は、1999年の設立以来、現在40,000人を超える方のさい帯血をお預かりしております。日本では、年間100万人近くの赤ちゃんが誕生しているのですが、そのほとんどの方がさい帯血が保管できることを知らずに出産を迎えられます。私どもは、より多くのママやパパにさい帯血やさい帯血バンクについて知っていただきたいと思っています。

ステムセル研究所では、さい帯血をまず10年間お預かりします。

10年預けたらその後は?

10年お預けいただいた後ですが、ご希望の場合、更新することが可能です。実際、10年を迎えた方の多くが更新をされております。


液体窒素が入ったタンクで保管されます。

なお、さい帯血の保管方法は公的も民間も基本的には同じです。液体窒素を利用して専用のタンクで、長期にわたって保管をします。

さい帯血バンクは誰でも利用できる?(登録できる?)

基本的には誰もがさい帯血を採取できますが、公的バンク・民間バンクそれぞれで保管する基準が異なります。

ここでは弊社を例にお伝えいたしますが、一部の方を除き基本的にはどなたもお申し込みいただけます。しかし、結果的にご利用できないケースもあります。それは分娩時の状況により、さい帯血の採取が困難な場合などです。

弊社は、このようにさい帯血が採取できなかった場合、保管に至らない場合にはいっさい費用をいただきません。

民間バンクに保管すると決めたら?

弊社は、お問い合わせからご出産を迎えられ、さい帯血が保管されるまで、妊産婦さんおひとりに対して、専任のスタッフがサポートさせていただきます。そのため、ご質問やご不安なこと、また準備することなどお気軽にご相談していただけるよう対応しております。

さい帯血バンクを利用する人から来る「お問い合わせ」で多いものは?

  •  採取したいのですが、どういった流れで採取するのでしょうか?
  •  採取できない条件はなんですか?
  •  自分の通っている産院ではさい帯血が採取してもらえるか?
  •  どんな病気に使えるのか?

などの質問をいただくことが多いですね。

十分にご理解いただいたうえでさい帯血を保管するかどうか?をご判断いただいております。

さい帯血はパパにも知ってもらいたい

さい帯血=赤ちゃんとママに関する事柄、と考えてしまいがちですが、ぜひパパにも理解を深めて欲しいです。

また、そうでなくとも妊娠・出産・育児は家族全体で考えていって欲しいですね。特にさい帯血は出産のときにしか採取できない、一生に一度しか採取できない大切なものですのでご家族みなさまで関心をもって欲しいです。

さいごに。妊活・妊娠中のママへ

本日、いろいろとさい帯血やさい帯血バンクについてお話しさせていただきましたが、さい帯血でがもつ可能性はまだまだ未知の面もあります。

公的バンクであれば第三者へ、民間であればお子さまとそのご家族のために。このようにさい帯血が、ご自身やご家族、場合によっては見知らぬ方の命をつなげる手伝いとなる、という非常に大切な役割を持つことは間違いありません。

-以上、株式会社ステムセル研究所の土山覚史様、幸道秀樹先生からのお話となりました。この度はお忙しい中、貴重なお時間いただき誠にありがとうございました。

 

編集後記

多くの可能性を持つにも関わらず、まだまだ理解される機会が少ない「さい帯血」と「さい帯血バンク」の存在と役割。ですが、お伝えしてきたように“赤ちゃん自身はもちろん、時にはその家族まで恩恵を受ける”ことができる民間バンクのことはもっと広く知られていくべきでしょう。

幸道先生からお話しいただいた公的バンクは「1つの命が他の命にもつながっていく(周りを助ける)手伝いとなる」これは間違いありません。

今後も多くの可能性を秘めているさい帯血。そしてそれを支えるステムセル研究所様の活躍をこれからも期待しています!

【本日お話しを伺った方】

株式会社ステムセル研究所(URL:http://www.stemcell.co.jp/
土山 覚史 様

 

幸道 秀樹 先生(東京都立多摩総合病院医療センター血液内科)


本インタビューにご協力いただきました株式会社ステムセル研究所の土山覚史様、幸道秀樹先生、この度は誠にありがとうございました。この場をもって御礼のお返事にかえさせていただきます。

本記事における注意事項として
本記事内容で使用させていただいたデータ画像・資料は株式会社ステムセル研究所様から、IKURICH(いくリッチ)のコンテンツ作成にお借りしたものであり、出典元は株式会社ステムセル研究所様となります。無断での引用、改変しての引用、その他ご使用の一切は禁止させていただいております。また、本コンテンツ内容の権利は株式会社ステムセル研究所様、IKURICH(いくリッチ)、それぞれに帰属しており、無断での引用、改変しての引用、その他ご使用の一切の無断でご使用も同様に禁止させていただいております。データ、画像、コンテンツ内容の無断使用が見つかった場合、理由の如何に問わず、使用者および、コンテンツアップロード先に対して金二千万円を請求させていただきますので、何卒ご配慮いただけますようお願いいたします。

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