『ミルクアレルギーの赤ちゃんにどう向き合っていけばいいのか?』『ミルクの与え方は?母乳にも注意したほうがいいのか?』など、悩まれるママは多くいます。

そんなママに向けて

  • ミルクアレルギーの赤ちゃんへの接し方

についてお伝えします。

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ミルクアレルギーとは?

ミルクアレルギー 哺乳瓶

ミルクアレルギーは生後1年未満の赤ちゃんによく見られる症状。この期間内で赤ちゃんにアレルゲンとなる乳製品を食べさせたときに症状があらわれます。

最初にある程度の量のミルクを飲んだときにアレルギー反応が出て、その後は反応しやすい状態になって少しでもミルクを口にしてしまうとアレルギー反応を起こしてしまいます。

また、1回目にミルクを飲んだときよりも2回目以降に飲んだほうがアレルギーが過剰に反応するケースが多いという特徴があります。

ミルクアレルギーの発症時期

ミルクアレルギーは生後1年未満の赤ちゃんの中でも主に生後3ヶ月以内が発症時期であることがほとんど。

ママの母乳の出が悪い場合、赤ちゃんの栄養源はミルクに頼らないといけません。

そのため、母乳とミルクとを混合して育児を進めていく途中の数日後にアレルギーが発症するというタイミングが多くなります。

ミルクアレルギーの症状

湿疹

ミルクを飲んだ後に、じんましん・かゆみ・赤みなどの症状が出るとアレルギーの可能性があります。また、むくみ・喉をかゆくなる症状もあります。

症状の確認のためにも、赤ちゃんが体を動かしてむずむずと皮膚に異変を感じた仕草がないか?観察してください。

嘔吐・下痢・血便

嘔吐・下痢・血便などの症状もアレルギーの影響が考えられます。

赤ちゃんの腸はまだ上手に消化することができないため、これらの症状はアレルギーとして起こりやすいです。

風邪に似た症状

鼻水・くしゃみ・咳・息苦しさ・発熱など、風邪に似た症状もミルクアレルギーの疑いがあります。

アナフィラキシー

気付かずに継続してミルクを飲ませ続けるとアレルギー反応が強くなる危険があり、アレルギー反応が強くなると全身性に複数の症状があらわれるアナフィラキシーを発症することもあります。

アナフィラキシーは発症後に極めて短い時間で全身性の臓器(皮膚・粘膜・呼吸器・消化器・循環器、など)にアレルギー症状があらわれ、意識を失うショック症状も10%の割合でみられる危険な症状。

場合によっては血圧の低下や意識障害などを引き起こし、生命に危険なアナフィラキシーショックを発症することもあります。

ミルクは飲むのに吐いてしまう。これはアレルギー?

ミルクは飲むのに吐いてしまう場合もミルクアレルギーの疑いがあります。

赤ちゃんの定期健診でもアレルギーと分かることがありますので、心配であれば医師に相談してください。

  • 哺乳瓶の問題も一緒にチェック

なお、哺乳瓶の種類によっては一気に飲み過ぎてしまうことがあり、その影響で吐いてしまうこともあります。

その場合、母乳に近い口をしたタイプの哺乳瓶がおすすめです。

ミルクアレルギーの原因

ミルクアレルギー 赤ちゃん 原因

粉ミルクや牛乳に含まれている「β-ラクトアルブミン」や「カゼイン」のたんぱく質を食べることがミルクアレルギー発症の原因となります。

完ミ・混合で育てている場合、ミルクは赤ちゃんの日々の大切な栄養源。日々、欠かすわけにはいけないので大きな問題となります。

なお、母乳にはこのアレルゲンとなる2つのタンパク質は含まれていませんのでミルクアレルギーの赤ちゃんに母乳を与えても基本的には大丈夫。一部注意点はありますが、詳しくは後述する「ミルクアレルギーの赤ちゃんに母乳を与えて良い?」をご参考ください。

ミルクアレルギー(新生児・乳児消化管アレルギー)の割合

ミルクアレルギー(新生児・乳児消化管アレルギー)は、1年間で赤ちゃん500人のうち1人の割合で発症する(※1)と言われています。

(※1)10月27日付の朝日新聞にも「ミルクアレルギーの赤ちゃん増 500人に一人、治療は可能」の小見出しで報道。(参考:松原市-阪南中央病院

また、2016年の 国立成育医療研究センター研究所による「新生児-乳児消化管アレルギー(新生児-乳児食物蛋白誘発胃腸炎)診断治療指針」でも0.21%と報告されています。(こちらも約500名に1人の割合という計算。)

出典:新生児-乳児消化管アレルギー(新生児-乳児食物蛋白誘発胃腸炎)診断治療指針|国立成育医療研究センター研究所

遺伝の影響

アレルギー体質は遺伝からも影響を受けます。ご両親か祖父母のどなたかにアレルギー体質があった場合、赤ちゃんは50%の確率でアレルギーが遺伝すると考えられています。

ミルクアレルギーが赤ちゃん500人のうち1人の割合で発症する点を踏まえると、遺伝の影響はかなり大きいと考えられます。

ミルクアレルギーの診断方法と予防・対策

ミルクアレルギー 赤ちゃん 診断

ミルクアレルギーの診断方法

ミルクアレルギーの診断は、病院で症状が出た経緯を説明してから問診を行い、血液検査でアレルギー抗体の有無を診断されます。

ミルクアレルギー対策と予防法

ミルクアレルギーの予防法はアレルゲンとなるミルクを除去した食生活をすることに尽きます。

ミルクアレルギーだと診断がついたらミルクアレルギーの赤ちゃん向けミルク牛乳アレルゲン除去調製粉乳)を活用しましょう。

【完ミ・混合ママ必見】アレルギー持ちの赤ちゃん用粉ミルク8選」でもお伝えしてますように、現在はアレルギー反応が出ないためのアレルギー専用の粉ミルクが多く販売されています。

ミルクアレルギーの赤ちゃん向けミルクはアレルギー反応を起こす牛乳のたんぱく質を細かく分解し、あまり抗体ができないように作られているためアレルギー症状の心配がなくなります。

なお、アレルギー専用の粉ミルクの注意書きには「医師や管理栄養士の指導に従い使用してください。」と記されてますので、取り扱いに心配がある方は医師に相談の上でご使用ください。

赤ちゃんが飲むことができる水選びも欠かせない

赤ちゃんは消化器官が未熟なため、粉ミルクを作るためのお水も赤ちゃんに影響のないお水を選んであげる必要があります。

ミルクアレルギーの赤ちゃんに母乳を与えて良い?

赤ちゃん 母乳

ママが摂取する食べ物に影響される

なお、完母の場合でもママが摂取した食事の内容や量によってはアレルギー反応を起こしてしまう可能性はあります。

母乳でも数値や症状で明らかなアレルギー反応が検出された場合は、母乳からアレルギーを除去する必要がでてきますので、アレルゲンとなる牛乳・乳製品の除去に注意したママの食生活の見直しをしてください。

完母のママは食事制限を

食事

ママの食事制限

ミルクアレルギーを持っていたとしても、普段から与えている母乳に少量の乳製品の成分が含まれていても最初は反応しません。

ですが、積み重ねていくと徐々に反応する可能性があります。

そのため、完母を希望し、且つアレルギーを気にされる場合、赤ちゃんに反応が出てくる前から予防的な動きとして乳製品を完全除去する『ママ自身の食事制限』もすすめていきましょう。

  • 食事制限例として

一例として『アレルギースコア3』の場合を例にして対処法を説明していきます。

基本は乳製品を一切口にしない完全除去の食事制限となります。体がミルクを異物であるということを忘れるくらいまで除去を継続していくことが大切で、一定期間、食事制限をして乳製品の除去を続けることで次第に安心して乳製品を食べられるようになります。

乳製品に対してのアレルギー反応を起こす回数が増えるほど、アレルギーは長く継続させてしまいます。また、アレルギー反応を起こす回数が増えると“乳製品に類似するたんぱく質の構造を持つ他の食品”までアレルギー反応が出てしまう『体の誤反応』が起こることがあるので注意が必要です。

アレルギー反応を感じはじめたら早期の対策が欠かせません。

どうしてもママがアレルギー食品を食べたい場合

どうしてもアレルギーの可能性のある食品を食べたいという場合、食べた後に母乳を2回ぐらい搾って飲ませないようにしましょう。

アレルギー食品を多少食べても症状が出なくなる時期は赤ちゃんが生後10ヶ月あたりからになります。それまでは、頑張って母乳を2回くらい搾って飲ませないように注意してください。

  • アレルギー除去は先生と相談して

なお、ママのアレルギー食品の除去食を行う場合、必ず病院の先生に相談を受けながら進めてください。

授乳中に牛乳・乳製品を過剰摂取したときに考えられる3つの悪影響

牛乳

1.母乳の質が悪くなる

授乳中に脂肪分の高い牛乳や乳製品を摂取し過ぎると、赤ちゃんが消化しにくい脂肪分の多い母乳になってしまう可能性があり、下痢や便秘などのトラブルが起こる原因となります。

母乳の質の良し・悪しは、赤ちゃんが飲んだら機嫌が悪くなる・飲むのを嫌がる、などの仕草がサインですので授乳中の赤ちゃんの様子を観察してみてください。

2.赤ちゃんの皮膚トラブル

授乳期にママが脂肪分の多い乳製品などを食べ過ぎると母乳にも影響するため、母乳を飲んでいる赤ちゃんの頭に脂漏性湿疹ができたり、ほっぺにニキビが出やすくなります。

乳製品を多く使用した料理の摂り過ぎないよう食生活の見直し、赤ちゃんの皮膚トラブルを予防していきましょう。

3.乳腺炎

脂肪分の多い牛乳や乳製品を過剰に摂り過ぎると母乳の濃度が高くドロドロになり、ママの乳腺が詰まる原因となる可能性があります。

(特に摂り過ぎ注意の食品は脂肪分が多い生クリームやチーズをたっぷり使った料理など。)

乳腺の詰まりは乳腺炎に繋がります。乳腺炎になるとしこりができてチクチク痛み感じ授乳時に支障が出ますので、過剰摂取にならないようご注意ください。

授乳中に気を付けるべき乳製品10選

乳製品 アイスクリーム

授乳期間は脂肪分の多い乳製品や料理は食べ過ぎると、母乳やおっぱいの詰まりに影響する可能性があるります。

無意識のうちに乳製品を食べ過ぎてしまうこともあるので、特に以下の乳製品は授乳中の摂取でご注意ください。

[授乳中に気を付けるべき乳製品10選]

  1. 菓子パン
  2. アイスクリーム、プリン、ババロア
  3. ケーキやチョコレート(洋菓子)
  4. コーヒー用ミルク、バター、マーガリン
  5. チーズがたくさん入ったピザやグラタン
  6. チーズコロッケ、カニクリームコロッケ
  7. チーズフォンデュ、クリームシチュー、クリーム煮
  8. マッシュポテト、ポテトサラダ
  9. カルボナーラ、クリームパスタ
  10. ポタージュ

これら乳製品を使った料理は「他の乳製品よりも生クリームを多用している傾向がある」という特徴が挙げられます。

また、百貨店やスーパーなどで買ってきた惣菜も手作りでは普段使わない生クリームなどの食材がたっぷり使われていることも多いので、あわせてご注意ください。

どうしても乳製品が食べたい場合は買ってくるのではなく、乳製品の量を調整できる手作りの方が良いでしょう。

牛乳の代わりの飲み物

授乳期にカルシウムを補給するため普段より多くの牛乳を摂取するママもいますが、過剰なカルシウム摂取は母乳のつまりに影響する可能性があるため飲み過ぎには注意したいところ。

そこで、牛乳の代わりとなるおすすめの飲み物として以下もご検討ください。

1.豆乳

豆乳は牛乳と比べて脂肪分が少なく、カルシウム・ビタミンB・ビタミンE類も豊富。さらに、女性に嬉しい美容と健康をサポートしてくれるイソフラボンも豊富に含まれています。

豆乳は飲み物だけでなくヨーグルト(豆乳ヨーグルト)から摂取もできるので、乳製品トラブルに悩むママや赤ちゃんにおすすめです。

2.低脂肪乳・無脂肪乳

低脂肪乳・無脂肪乳は一般的な牛乳と比べても脂肪分が少ないにも関わらず他の成分量はあまり変わらないのでおすすめです。

ミルクアレルギーだけど母乳が出ないときは?

母乳 出ない

赤ちゃんがミルクアレルギーなのにママの母乳が出ない。

授乳期のママで一番難しい状況ともいえるかもしれません。

急に母乳の出が良くなる、というのは現実的には難しいもの。そのため、母乳の出が徐々に回復してくるまでミルクアレルギー専用の粉ミルクを活用してください。

頻回授乳

徐々に母乳の分泌量を増やす対策はいくつかあり、中でも頻回授乳は一番の対策。

頻繁に授乳しておっぱいに刺激を与えることで母乳を分泌させるホルモンが活性化されます。すると、母乳の出は徐々に良くなっていきます。そのため、赤ちゃんが泣く・おっぱいを欲しがる仕草が見られるときは、すぐにおっぱいを吸わせてくよう心がけてください。

頻回授乳はアレルギー対策の粉ミルクと並行して進めていきましょう。

授乳期の栄養補給

授乳期ママの体づくりに必要な栄養が不足している場合、母乳の出にも影響します。

普段からの栄養補給に加え、必要に応じてサプリメントも活用し、授乳期のママの体づくりを心がけてください。

母乳分泌のための水分補給

母乳育児におすすめのハーブティー13選。授乳中のママの悩み対策を」でもお伝えしてますが、母乳生成にはママの水分補給が欠かせません。

水分不足にならないよう小まめな水分補給を心がけつつ、授乳期の母乳分泌を助けるハーブの働きも活用してみてくださいね。

勘違い?『差し乳』のタイミングに注意

『母乳が出てるかわからない』という理由で母乳が出ないと勘違いされるママも多くいます。

出産してから授乳開始の初期は赤ちゃんがしっかり飲んでくれている手応えがありますが、徐々に手応えがなくなり母乳が出てるかわからない時期を迎えます。この現象のほとんどが「差し乳」に変化しているタイミングです。

  • おっぱいの張りが変化する

授乳開始してしばらくは溜まり乳といわれる状態で、おっぱいが常に張っていて乳房内に母乳が溜まっています。そのため、母乳の出もよく赤ちゃんがごくごく飲んでくれる実感を得ることができます。

ところが、生後2ヶ月以降になるとおっぱいが常に張っているわけではなくなり、赤ちゃんが飲みはじめるとおっぱいが張ってきて母乳が出る現象である差し乳に変化します。差し乳になると溜まり乳の時と比べて赤ちゃんが母乳を飲んでくれている実感が少ないので出てるかわからない状況になりやすいのです。

このタイミングで授乳回数を落とし、代わりにミルクを足す回数を増やし続けると母乳の出が悪くなって次第に止まってしまいますので、徐々におっぱいを飲まれる実感が薄れてきても、授乳は続けてください。

まとめ

アレルギー反応は赤ちゃんの辛い思いをさせてしまいます。

そのため、ミルクアレルギーとわかったらアレルゲン物質を赤ちゃんに与えない専用のミルクか、ママの母乳で赤ちゃんの栄養補給を心がけてくださいね。

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