妊娠中はつわりの影響で寒気や悪寒を感じることがあります。
寒気がすると体調変化の影響で吐き気が出てきたり、体調不良から「流産に影響はあるのか?」など心配になってしまうもの。そんな妊娠初期の妊婦さんに向けて、
- つわりで寒気が起こる原因や対処法
についてお伝えします。
目次
つわりによる寒気・悪寒症状の特徴
つわりと寒気は関係性が深く、妊娠中に起こる寒気の特徴には以下があります。
つわりが起きやすい妊娠初期における寒気
一般的には妊娠をすると生理予定日を過ぎても体温が高い状態が続きます。
高温が2週間以上続いたら妊娠の可能性があり(高温期)、妊娠をすると黄体ホルモンの働きによって体温が上昇します。
このホルモンの作用に体がついていけないと寒気を感じてしまうのです。
※なお、基礎体温があまり上がらずに妊娠をするケースもあるため個人差があります。
ほかにも、
- 体温は高いのに外の気温がそれよりも低いと寒さを感じる
- 体温計での測定ミス
- ストレス
- 高温期で急に体温が下がる(インプランテーションディップ)
などでも寒さの感じ方は違ってきます。
つわりで寒気が起こる5つの原因
1.つわり症状の影響
つわりの影響で食べることができない・どうにか食べても戻してしまうことがあります(吐きつわり)。
食物は体の体温を維持するためのエネルギー源であり熱を生み出すもの。そのため、食事ができないと栄養不足となり体内の温度調整がうまく働かずに寒さを感じることがあります。
特に妊娠時は胎児にも栄養を送らなければならないため通常よりも多くの栄養を必要なので、栄養不足になりやすいです。
2.黄体ホルモンによる体温上昇の影響
妊娠すると女性ホルモン(黄体ホルモン)が活発になる影響で通常より0.5度ほど体温が上昇します(高温期)。
体温が上がるなら本来は寒さを感じにくくなるはずですが、ホルモン作用に体がついていけない場合は寒さを感じてしまうことがあります。
3.貧血による寒気
妊娠すると体内の血液量自体は増えますが赤血球の数自体はそれほど増えません。そのため、貧血状態になりやすく血の巡りの悪さから寒気を感じてしまいます。
さらに、貧血による鉄不足は体内で新たな血液が作られにくいため体温が下がってしまうことになります。
4.血行不良・冷え症
妊娠すると普段より体を動かす機会が少なくなり運動不足になります。運動不足は血行不良・血の巡りが悪さを引き起こし寒気を感じてしまいます。
また、冷え症によって寒さを感じることもあります。
5.寒気は自律神経の乱れに影響する
妊娠するとホルモンバランスの影響でストレスを感じやすくなりますが、ストレスや不安が溜まると寝つきが悪くなるため睡眠不足になりがち。
睡眠不足は自律神経の乱し、自律神経の乱れは血管の収縮が起こすので血行不良の原因となります。結果、血の巡りが悪くなることで寒気を感じやすくなります。
つわりと風邪の違いを判別する方法
つわりと風邪は症状が似ている
つわり | 風邪 |
吐き気、嘔吐 | 鼻水 |
微熱、だるさ | 発熱、だるさ |
眠気 | くしゃみ、咳 |
頭痛 | ― |
つわりと風邪の症状は似ている面が多いのですが、違いの目安となるのは喉と鼻水。
- 喉:痛みや違和感を感じれば炎症の可能性がある
- 鼻水:ドロっと黄色い状態
このような特徴が見られたらつわりではなく風邪の可能性が高いと言えます。
つわりは症状が長引く
風邪と比べるとつわり症状の方が長く続きやすいです。
個人差がありますが「つわりはいつ終わる?平均は?早い人は?終わり方のパターンと心構え」でもお伝えしたように、つわりは妊娠4~6週ぐらいからはじまり、特に妊娠7週~9週がツラい時期といわれ、妊娠14~16週を目途に落ち着いてきます。
長いと10週以上に渡るため、影響が長引く期間が風邪よりも長いといえます。
無理をしない
つわり時はとにかく無理をしないことが一番。無理をして心身ともに疲弊すると、結果的につわり症状を長引かせてしまう原因にもなります。睡眠不足や過労を避け、十分に体を労わってあげましょう。
風邪やインフルエンザと間違えないように
つわり症状が長引くと、途中で風邪やインフルエンザにかかっても「つわりの症状だ」と勘違いすることがあります。
特に妊娠超初期の段階では妊婦さんが自身の妊娠に自覚がないことが多いので判断が難しいところ。
妊娠によるつわり症状なのか?風邪やインフルエンザなのか?の判断は自分ではつきにくいことがあるので、症状が長引いている場合は医師に確認してもらいましょう。
つわりによる寒気・悪寒への対策方法
身体を温める服装
妊娠時に体が冷えると血の巡りが悪くなり寒気を引き起こす要因となります。露出の高い服装を避けて全身を温める服装を心がけてください。
下着の締め付けはストレスや血行不良の原因となるので、できるだけゆったりとしたものを身に着けてください。
特に首周り・お腹周り・下半身をしっかりと温めることがポイント。エアコンの効いた部屋で過ごす場合は厚手の靴下を履く・カーディガンを上から羽織る・1日中エアコンがあたる場所を避け、部屋の湿度を一定に保つ、など体温を下げない工夫を心がけましょう。
飲み物
「つわりには炭酸飲料がおすすめ!摂るメリットと注意点は?」でもお伝えしているように、つわりがひどいときにおすすめな炭酸飲料。この時期多くの妊婦さんに好まれます。
ですが、冷たいものを飲みすぎると体を冷やしてしまう原因になります。
この時期は冷たい飲み物は適量に留めつつ、体が温かまる飲み物を飲むことがおすすめ。なお、お茶やコーヒーのカフェイン・香りが気になる場合は白湯で代用してもいいでしょう。
入浴で血行不良を改善
入浴時、ぬるめのお湯で体を芯から温め、手足のマッサージをして体の血行促進を助けてあげましょう。
また、入浴後に薄着でいると風邪を引きやすくなるので入浴後の体温管理も忘れずに。
適度な運動
妊娠時には運動不足になりやすいため、体重が増加しやすくなります。体重増加は新陳代謝の低下を引き起こすため血行が悪くなる原因になり、血の巡りが悪くなると寒気を引き起こしてしまいます。
妊娠中は過度な運動は厳禁ですが、室内でできる簡単な運動や散歩などの適度な運動を取り入れて血行改善につなげましょう。
また、一度に運動をしようとするのではなく「細切れの時間にちょっと体を動かす」くらいの運動なら体に無理な負担がかからりません。
規則正しい生活
睡眠不足は自律神経の乱れから血管の収縮を引き起こして血行不良の原因に。また、偏った食事は鉄不足となり血の巡りを悪くします。
そのため、体調を整えるためにも暴飲暴食やお酒を控え、バランスのとれた食事による栄養補給をこころがけ、規則正しい生活を意識して過ごしてください。
深呼吸
深呼吸は手軽にできるつわりの負担軽減対策におすすめ。
5秒くらい息を吸い込んでお腹が膨らんだと感じたら、倍の10秒間かけて息を少しずつ吐き出してみてください。
何度か繰り返していくうちに、次第に落ち着いた気持ちを取り戻すことができます。
他の症状が併発した際の対処法
つわりと高熱が併発
つわりを感じやすい妊娠初期時は一般的に高温期が続いた状態ですが、風邪やインフルエンザの症状と混同してしまうことがあります。
つわり時期の高熱は直接お腹の赤ちゃんに影響するわけではありませんが、妊婦さんは体力を奪われるだけなく、水分が摂れずに脱水になる危険があります。水分不足は赤ちゃんに十分な栄養を送り届けることができないため水分補給は欠かせません。
医師に相談を
体に異変を感じる・自分では判断がつかない場合はすぐに産婦人科で診てもらいましょう。(特に38℃を超える場合はすぐに診てもらってください。)また、妊娠中は自己判断で市販薬の服用は控えましょう。
腹痛
お腹の痛みや張り、加えて出血まである場合は早産・流産の可能性があります。
妊娠初期の流産は胎児側に原因があるとされますが、妊娠中期以降は妊婦側に原因が考えられます。お腹に痛みを感じたらすぐに医師に診てもらいましょう。
つわりで背中が痛い
背中や腰に痛みを感じる場合、腎盂陣痛(じんうじんつう)の可能性があります。
腎盂陣痛は腎臓に細菌が侵入して引き起こされる病気で嘔吐・寒気・背中や腰の痛みなどの症状があらわれます。
なお、背中の痛みや嘔吐・寒気などの症状は妊婦さんに多く見られる症状でもあるため、必ずしも腎盂陣痛であるわけではありませんが、明らかに症状が激しいと感じたら病院で診てもらいましょう。
つわり・吐き気(嘔吐)・悪寒が併発
つわりは嘔吐を伴いやすいものですが、吐き気がひどい場合に無理に吐こうとしてはいけません。
ツラいからといって喉に指を入れて無理に吐こうとすると吐きグセがついてしまい、拒食症の原因になります。
いったん吐きグセがつくと少しの刺激でも吐いてしまうようになり、そのたびに寒気も感じてしまうのです。
下痢
トイレからずっと出ることができないほど下痢が続く場合、腎盂炎(じんうえん)の可能性があります。
腎盂炎は細菌が尿路に感染することによって起こりますが、胎児に直接影響のある症状ではないため、すぐに対処すれば問題はありません。
ですが、その状態を放置すると早産や破水の原因になってしまうため、下痢の症状がひどい場合はすぐに医師に診てもらいましょう。
病院に行くときの注意点
万が一ご自身が感染症の場合、病院にかかる際にいきなり産院を訪れると他の妊婦さんに伝染してしまう恐れがあるので。必ず事前に連絡し、症状を説明してから病院に向かうようにしてください。
妊娠初期の寒気と流産の関係
お腹の痛み・出血
つわりが起こりやすい妊娠初期に寒気がすると流産になるのでは?と聞かれることもありますが、これには医学的な根拠はなく、寒気と流産の関連性は低いといえます。
特に胎児は常に37~38度に保たれた羊水によって保護されているので、自分の体が寒いからといって胎児まで影響を受けているわけではありません。
ですが、寒気だけでなく腹痛や出血も見られた場合は流産の可能性があるのですぐ医師に相談してください。
冷えが続くだけで妊婦と胎児に悪影響
流産の可能性が低いからといって体の冷えをそのままにして良いわけではありません。冷えは黄体機能不全・子宮内膜機能不全になる恐れがあり、胎盤がスムーズに作られないため妊娠の継続が難しくなってしまう危険があります。
さらに、妊婦と胎児をつなぐ血流の流れが悪くなるので十分な栄養を胎児に送り届ける際に支障が出る恐れもあり、酸素や栄養素が十分に胎児に行き届かないことは胎児の発育に影響します。
寒気の解消は妊婦・胎児それぞれにとって必要なことだと言えます。
- 胎児の成長を助けるために
つわり症状が起こりやすい妊娠初期はお腹の赤ちゃんの中枢神経が発達する大切な時期。この時期、健やかな赤ちゃんの成長を助けるためにも葉酸の摂取が欠かせません。
加えて、全妊娠の8,9割が妊娠初期に起こる初期流産によるもので、原因は染色体異常と先天性異常が挙げられます。先天性異常は妊娠初期に起こりやすいため、発症リスクを軽減する方法のひとつとして葉酸摂取が薦められており厚生労働省でも推奨されています。
昨今注目されるようになった妊婦さん向けの葉酸サプリであれば、合わせてビタミンB6の摂取ができ、ビタミンB6はつわり特有の吐き気を抑える助けにもなります。
ママとお腹の赤ちゃん、それぞれのためにも、いまの時期から葉酸を摂取してください。
- 参考:妊娠初期におすすめの葉酸サプリ
\ 妊娠初期に必要な葉酸を摂取できる!ベルタ葉酸サプリ /
→ 妊娠初期までに必要な葉酸量を得られる【ベルタ葉酸サプリ】
寒気は放置しないこと/まとめ
つわり時は同時に寒気も起こりやすく、ママの健康・お腹の赤ちゃんの成長、それぞれのためにも寒気対策は欠かせません、
体を不用意に冷やしてしまわぬよう、体を冷やさない・温める生活を心がけてください。無事の出産を迎えるために、妊婦さんとしての体づくりには一層気をつけてこの時期を過ごしてくださいね。
無事の出産を目指すママへ
お伝えしてきたように妊娠・出産希望の方であれば、妊娠初期における葉酸の摂取が欠かせません。
そんな妊娠初期を無事乗り越え、安定期を目指すための葉酸摂取について詳しくは「妊娠初期に摂りたい葉酸サプリおすすめランキング|先輩ママも愛用!」でお伝えしていますので、是非ご参考になさってください。