冷凍母乳の解凍方法はどうすれば?
特にはじめての母乳育児であれば悩むことも多いかと思います。
母乳の成分を壊さずにどうやったら上手に解凍できるのか?に悩むままに向けて
- 冷凍母乳の正しい解凍方法
- 自然解凍をするときの注意点
についてお伝えいたします。
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目次
冷凍母乳の解凍方法は主に2パターン
冷凍母乳の解凍について教えて下さい!
40℃くらいのぬるま湯で解凍とのことで、時間がかかりますよね?
お腹すいた!!と泣かれてから解凍だと待たせることになりますが、そんなものでしょうか?
それとも、一時間前くらいに冷蔵庫に入れて、泣かれてから湯煎、とかでしょうか?引用:Yahoo!知恵袋
冷凍母乳の解凍方法は慣れない人にとっては未知そのもの。
特に初めてのママ・赤ちゃんを預けられた旦那さん(周りの家族)は「どうやって母乳を解凍したらいいのか?」と悩むものです。
まずは大枠としての解凍方法と注意点を下記よりご確認ください。
1.解凍に時間をかけても良い場合
冷凍母乳を冷蔵庫に入れる、または室温で自然解凍します。
ばい菌がつかないように母乳を置く場所はきれいに拭いておくとなお安心。
出したあとに忘れて放置してしまいがちなので、忘れないよご注意ください。
- 旦那さんに預けるとき
赤ちゃんを旦那さんやご家族、保育園に預けて飲ませるときは、与える分の冷凍母乳を取り出して冷蔵庫に入れておく・室温に置いておく、など事前に用意しておくと預けられた側も安心して扱うことができます。
2.時間をかけずにすぐに解凍したい場合
- (1)ぬるま湯
搾乳の保存用の母乳バッグを30~40℃のぬるま湯を入れた容器につけてゆらしながら溶かすとすぐに解凍できます。その際は20分以内に行ってください。
- (2)流水
母乳バッグを流水をあてても素早く解凍ができます。
解凍されたら母乳バッグの表面に付いた水滴を拭き取って哺乳瓶に入れてください。
水滴を拭き取るガーゼや使用する容器は清潔なものを使ってください。
注意!やってはいけない解凍方法
熱湯や電子レンジでの解凍は絶対にやらないでください。
[NGの理由]
- 赤ちゃんに必要な成分が失われる
- 母乳バッグが破裂する
などの危険があります。
特に電子レンジ。
便利そうに見えますが電子レンジで加熱すると均一に温めることができません。
また、もし電子レンジで哺乳瓶を温めてしまうと上部の方が15℃ほど温度が高くなるため赤ちゃんがやけどをする恐れがあります。
- 熱処理で失わせたくない母乳成分
母乳には赤ちゃんの体を守る・消化を助けてくれる成分が豊富に含まれていますが、熱に弱い性質をもつ免疫体の物質(※)も含まれています。
また、そもそも母乳は体温よりも高くならないので人肌くらいのぬるま湯か室温で自然解凍するのが適しています。
(※)例えば母乳に含まれる分泌型IgA抗体・リゾチーム・ビタミン・胆汁酸刺激リパーゼ、などの成分が減少する可能性があります。
冷凍母乳のおすすめ解凍法
冷蔵庫内解凍
冷蔵庫に移して自然解凍する方法。
[メリット]
内部の温度が4℃を超えないので清潔に保つことでき、解凍中の細菌汚染リスクがありません。
また母乳に含まれる分泌型IgA抗体(赤ちゃんの感染症および下痢症から守ってくれる成分)が他の解凍方法よりも維持されます。
[デメリット]
ほかの解凍方法よりも解凍するまでの時間は長く、10~12時間ほどかかります。
流水解凍
母乳バッグを容器に入れて流水で解凍する方法。
[メリット]
ほかの解凍方法よりも短時間で解凍できます。
[デメリット]
自然解凍よりも細菌汚染のリスクがあります。
ぬるま湯解凍
30~40℃のぬるま湯を入れた容器内で溶けるまでゆらす、または容器に母乳バッグをつけておく解凍方法。
[メリット]
短時間で解凍できます。
[デメリット]
自然解凍よりも細菌汚染のリスクがあります。
室温での解凍
25℃くらいの室温に置いて自然解凍する方法。
[メリット]
置いて待つだけなので手間がかからず、特に保育園や旦那さんに預けるときにおすすめ。
[デメリット]
4時間ほど解凍がかかる・解凍時間がわかりにくい・時間がかかるがゆえに出したことを忘れてしまうことがある、など。
冷凍母乳の扱いで併せて知っておきたい7つのポイント
1.保存期間・期限
冷凍した母乳を解凍したら冷蔵庫に入れて保存します。保存期間・期限は冷蔵庫で24時間以内。
一度解凍した母乳は再度冷凍して保存することはできません。(飲み残して余った場合はベビーバスで沐浴に使うこともできます。)
また、解凍した母乳を室温(25℃)に置いておく場合の期限は4時間以内。
母乳に含まれるはばい菌を食べてくれる細胞は、母乳を冷凍するとその大半がいなくなってしまうので、解凍後は菌が繁殖してしまいます。
そのため、室温で長時間放置しないようご注意ください。
2.母乳の適温
室温~人肌(27~37℃)くらいが母乳の適温(腕の内側におとして多少ぬるく感じるくらいが目安)。
なお、早産児に与える場合は人の体温と同じ36℃~37℃くらいを目安としてください。
3.冷凍した日が違う母乳を混ぜることは可能
冷凍した日が違う母乳を混ぜて飲ませることは可能です。
そのため、一度に一回分の授乳量がとれないときは、別日にとった分を足して与えてください。
日にち間隔の目安はありませんが近いものから混ぜてください。
4.粉ミルクと一緒に扱うときは別容器で
冷凍母乳が足りず、不足分を粉ミルクで補う際は冷凍母乳と粉ミルクは別の容器で飲ませてください。
母乳と粉ミルクを混ぜると、
母乳の抗菌作用が低下し大腸菌の成長が増す
ミネラル吸収の阻害
リゾチーム(免疫防御因子)活性の低下
などの影響があります。
また、母乳は4時間以内で与えれば良いのに対し、粉ミルクは1時間以内に与える必要があるので、もし赤ちゃんが飲まなかったときに母乳が無駄になるリスクがあります。
5.母乳バック内で母乳が分離している場合
冷凍母乳は解凍時に脂肪が水と分離することがあるため「かきまぜてから哺乳瓶に移す」ようにしてください。
なお、激しくかきまぜると脂肪が壊れて本来の母乳の栄養分が失われてしまうので優しく扱ってください。
6.臭うときは?
冷凍母乳を解凍する際、脂肪が分散されるので脂肪酸が増えると臭うことがあります。ですが、体に悪い成分ではないので赤ちゃんに与えても問題ありません。
臭いを嫌がる場合、普段は飲んでくれなくとも寝起きや寝かかっているときなら飲んでくれることもあるため試してみてください。
また、数時間冷蔵庫で冷やしてから冷凍すると臭いを抑えやすいとも言われていますので併せて試してみてください。
7.冷凍母乳を飲んでくれないときは?
哺乳瓶の乳首にまだ慣れていない赤ちゃんは冷凍母乳を飲んでくれないこともあります。
その際は、
- 哺乳瓶の乳首を湯煎して人肌まで温めてあげる
- 乳首のサイズによっても飲みやすさは違うのでメーカーを替えてみる
などで飲みやすくなりますのでお試しください。
- 授乳姿勢
母乳を与える際の授乳姿勢も赤ちゃんが飲んでくれる・飲まない、に影響します。
関連記事 赤ちゃんの正しい授乳姿勢や抱き方まとめ。楽な姿勢が必要な理由とは?
できるだけ体をくっつけてあげると安心感がで飲みやすくなることがあるため、都度赤ちゃんが飲みやすい姿勢を探って試してみてください。
- 空腹ではない
赤ちゃんが空腹ではないと母乳を飲んでくれません。その際は授乳間隔を空けて飲ませてあげましょう。
それでも受けつけないときはスプーン・スポイト・コップを使って少量ずつ飲ませてあげてください。
まとめ
冷凍母乳の扱いに不慣れなうちは「どうすればいいのか?」と悩みますが、冷蔵庫や熱湯を使わない・自然解凍が基本、を覚えておくとまずは一安心。
母乳には赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素が豊富ですので、お伝えした内容を参考に冷凍母乳での母乳育児に徐々に慣れていきましょう。