母乳育児で夜中の授乳や卒乳は大変だと感じているママは多いのではないでしょうか?
夜泣きする日々が長くて一晩もぐっすり眠れていないと体がいつも疲れていてすごく辛い、だから「いつまで夜中の授乳が続くのだろう?」っていつも不安を感じていませんか?
そこで今回は、夜の授乳に悩むママに向けての対策方法をご紹介します。
目次
夜中の授乳は必要なの?
夜中に起きることは健康的には害があるように見られます。これは「昼に起きてご飯をたべ、夜になったら寝る」という体内の生活リズムの影響もあるためです。ですが授乳期の赤ちゃんはこういった体内リズムになっておらず、昼・夜関係なく作動しており、赤ちゃんがおっぱいを欲しがるときに与えるのが大切になってきます。よって、赤ちゃんが夜中にグズリだしておっぱいをほしがるときは授乳は必要です。特に新生児~低月齢の時期ならなおさら必要になります。
授乳の分泌は夜増える
夜になると授乳の分泌は増えます。特に23:00~5:00の間が増えるといわれています。これは赤ちゃんが母乳を欲しがる体内時計のリズムが関係していると言われていますが、分泌量は通常の1.5倍以上にもなります。夜中の授乳は大変なので休んでしまうママもいれば、休んでいる赤ちゃんを起こすのに気が引けてしまうママも多いかと思います。ですが赤ちゃんの体内リズムからすれば良く起きているのは不自然なことではありません。赤ちゃんを起こして、分泌状況の良い夜にしっかりと授乳をさせてください。
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夜中の授乳は母体にも良い影響が
夜中に授乳をしなかったり時間短縮のために夜はミルク育児などをしていると、母乳が古い状態のままどんどん溜まってしまいます。すると、母乳の味が落ちるとともに乳腺炎などのおっぱいのトラブルが起きやすくなるリスクいつながることも。よって、健康のためにも夜中に起きて授乳や搾乳は欠かさず行うのも大切になります。
本来、夜中頻繁に起きて細切れ睡眠をしているのは母体の健康に良くない状況といえるのですが、母乳が出ている授乳期は母体の体内では変化がみられており、母乳を出すホルモンの影響で夜中に起きて細切れ睡眠をしていても健康を害さないようになっています。
また、この時期「3時間に1度は授乳をする」というタイミングが一般的であり、確かにこのタイミングで授乳し続けるのは大変なことですが、母乳を分泌させるホルモンの影響でこのタイミングで授乳させるように体も変化していていますし、毎回質の良い母乳を分泌させることに繋がります。
実は夜中の授乳は赤ちゃんにも母体にもプラスに働く影響がある、ということを知っておくことが大切です。
乳腺炎には気を付けよう
なお、授乳時に気を付けたいのが「乳腺炎」。乳腺炎になりやすいママの特徴は寝不足による疲労と言われています。
夜間の授乳は大切ですが、その結果どうしても寝不足になっていまうことも。また、母乳が出にくかったり赤ちゃんがおなかいっぱいまで飲んでくれずに寝てしまうと2、3時間もしたらまたすぐに起きてしまうことがあり、その影響でママが寝不足になってしまうこともあります。
こんな日が毎日続いたら体も心も疲労が溜まってしまいます。だからこそ疲労を改善するためにも少しでもたくさん寝るように心がけましょう。細かい時間を使って、昼間に赤ちゃんが寝たときに一緒に寝るなどして、できるだけ体に疲労を溜めないようにしてみてください。
なお、乳腺炎は乳腺リンパの細い方は特に乳腺炎になりやすいと言われているので、体質上このような注意を受けたことがあるママは特に注意が必要です。
赤ちゃんの夜の授乳はいつまで?
赤ちゃんの夜中の授乳がいつまで続くのか期間が分かれば少し楽になるのですが、残念ながら個人差や生活環境によって違うため明確な答えはありません。敢えて目安を挙げるとすれば「赤ちゃんとママがそれぞれ辛い思いをしないタイミング」となります。
母乳は赤ちゃんの栄養面だけでなく安心感やコミュニケーションなどの側面でも役立っています。離乳食がはじまっていれば栄養面では授乳を止めても問題ないといえますが、ママとのコミュニケーションや安心感のためにおっぱいを吸っている赤ちゃんもいます。明確な期限は無いですが、母子ともに無理のないタイミングまで続けてみてください。
なお、以下に夜中の授乳におけるよくある悩みと解消法をまとめさせていただきました。夜間授乳でお悩みの際はご参考になさって下さい。
1.夜の授乳間隔。3時間おきの授乳はいつまで?
新生児期の赤ちゃんは1~3時間おきに寝たり起きたりを繰り返すため、生後3ヶ月ぐらいまでは1~3時間の授乳間隔で赤ちゃんは欲しがる、ということはよく聞かれると思います。ですが実際には赤ちゃんごとに個人差があるので、その時間に固執しすぎることはありません。例えば、アメリカの医学誌「JAMA Pediatrics(小児科学)」よれば、3時間という時間にとらわれず母乳を与えたほうがIQが高くなったり情緒が安定するなどの結果報告がされています。よって、赤ちゃんごとに個々に判断してあげるようにしましょう。
なお、時間よりも気にすべきは赤ちゃんの体重です。成長曲線と比べて体重が増えすぎたりしていなければ順調に成長している証なので、体重の増加具合が正常であれば赤ちゃんが欲しがったときに授乳してあげましょう。
2.夜の授乳後に寝ない赤ちゃんはどうすれば?
授乳後は赤ちゃんの目がランランとしていて1時間ぐらいゴロゴロしたりして疲れてやっと寝てくれるという日々が続いていると思います。でも、授乳後に赤ちゃんが寝ない問題の有効な解決策はありません。
よって、ここで大切なのは「開き直り」です。「はいはい、寝れないのね。じゃあ起きといて」といった具合に開き直ったら、授乳後に長くても30分~1時間で寝るようになったりすぐに寝てくれたりすることがあります。いろいろ試して上手くいか無かったときは、逆に開き直ってみることも選択肢として持っておいてください。
3.授乳すべきか泣くまで待つべきか?
赤ちゃんが夜中に指をチュパチュパしたり足をバタバタしたりしたら泣くまで授乳を待つべきか迷うと思います。多くの場合“泣いておなかが空いたと表現するのも大切という”理由から泣くまで待ってからあげたほうが良いという意見が多いです。一見するとドライな判断に見えるかもしれませんが、なんでも対応しすぎているとママ自身も疲れてしまいます。赤ちゃんとママとのコミュニケーションを深めて、より赤ちゃんのことを理解する意味でも試してみて下さい。
4.赤ちゃんの体内時計は変わらない
赤ちゃんが母乳を欲しがる体内時計のリズムは昼間も夜中も変わりません。大人は昼間に活動する前に朝食を食べたり活動中や後に食事をしたりできますが、赤ちゃんにはその概念は皆無なんですね。だから、ママは眠くてとても大変だと思いますが赤ちゃんが夜中に欲しがったらできるだけ授乳してあげるようにしましょう。
夜は長く眠ってもらうために無理してミルクを飲ませると赤ちゃんの体内時計を狂わせかねません。むしろその結果、昼間のご機嫌が悪くなったり大きくなってから夜泣きが頻繁に起こる、という悪循環にも。なお、夜中の授乳をやめると昼間に何度も母乳を欲しがるようになります。そのため夜の授乳回数は最低でも2回を夜11時と夜中2~3時頃が良いと言われています。
5.夜の授乳時に電気はつけておくべき?
夜の授乳時は足元につまづいたりして危険なので電気をつけたほうが安全です。赤ちゃんの目に明かりが入るのが心配でしたら間接照明のような背の低いスタンドを足元に置くと良いでしょう。
6.夜の授乳はいつ頃なくなる?
個人差はありますが夜に深く眠ってくれるようになる時期は3ヶ月ぐらいから母乳でもミルクでも寝るようになります。(個人差があるので、あくまで目安としてみてくださいね。)
なお、赤ちゃんは浅い眠りの時間が長いのでおなかが空いていなくてもちょっとしたことで夜中に何度も目を覚まします。このときに母乳やミルクをあげてしまうと目が覚めるクセがついてしまうことがあります。そのため、本当におなかを空かして母乳を欲しがっているのか?を見極めることが大切に。中にはいくら泣いていたとしても母乳ではなく単に退屈だから泣いている場合もあるので“見極め”は大切です。
なお、泣いているたびに母乳を与えていると繰り返しになって十分な量を飲まなくなることもあります。声をかけながら相手をしないでいると一人遊びたできるキッカケにもなるので場合によっては無視することも大事です。一人遊びができるようになるとグズリも減ってすごく育児が楽になりますよ。
7.夜の授乳中に寝てしまったときゲップはどうする?
母乳を飲み終わって寝てしまったら軽く背中をさすってあげます。もし出ないときは縦抱っこのまま歩く振動でゲップを促してあげてください。それでも出ない場合は少し枕を高くして顔を横に向けて5~10分くらい様子を見てください。病院では必ず毎回ゲップをさせなくてもいいと言われることもありますし、それほど神経質に悩まなくても大丈夫です。
8.緊急時は授乳を控える
お伝えしてきたように明確なタイミングは個々人によるのですが「薬を服用する場合」は母乳を与えるのはやめたほうがいいです。薬の摂取は母乳を通じて赤ちゃんの体内に届いて悪影響を与える恐れがあるので、どうしてもママが薬を飲まないといけない緊急事態になったときは、赤ちゃんの健康を考えて授乳を止める様にしてください。
赤ちゃんの夜泣きはいつまで続く?
個人差はありますが1歳半まで夜泣きが続くことがあります。なお、赤ちゃんが夜泣きをする理由は体内時計がまだ備わっていないためです。
大人は体内時計によって無意識に夜は寝て昼間は起きるの繰り返しを毎日当たり前のように送っています。ですが、赤ちゃんにはその体内時計がまだ備わっていません。つまり、昼と夜の区別がないんです。
この体内時計が備わり始めるのが生後4ヶ月頃と言われています。そのため、生後4ヶ月頃から1歳半にかけて体内時計が備わるまで夜泣きをしっかり向きことが大切になります。
夜泣きかどうか?確認する
まず、赤ちゃんの夜泣きで大切なのは“赤ちゃんが夜泣きをしているかどうか?”を確認することです。なお、確認するには以下の項目をチェックしてください。
- おなかが空いている
- のどが乾いている
- 周囲の音が気になっている
- 体調を崩している
- 寒がっている
- 暑がっている
- 布団が暑い・重たい
- 眠りにつく前のグズリ
- おむつ交換のタイミング
もし項目に当てはまる箇所があれば夜泣きによる可能性が高いので適切に対応してあげる必要があります。
なお、気づきにくい場面もあると思いますが赤ちゃんとの普段のコミュニケーションを大切にしていくと徐々に判断できるようになってきます。いきなりは難しいかと思いますが、徐々に気付けるようにコミュニケーションをとっていきましょう。
赤ちゃんのレム睡眠について
レム睡眠とは浅い眠りの状態のことで大人はもちろんのこと、レム睡眠は赤ちゃんも未完成ながら備わっています。なお、赤ちゃんのレム睡眠は大人が20%に対して赤ちゃんは50%の割合でレム睡眠の状態になります。よって、大人と比べて倍以上浅い状態での睡眠状態になっており、一見するとぐっすり眠っているように見えて、実は脳内は活発に活動している状態です。
母親のおなかの中にいた赤ちゃんは生まれてからの時間の中で色々な刺激を受けて情報を脳の中で処理を繰り返して成長しています。そのため、刺激が強かった情報は赤ちゃんにとっては衝撃が大きく感じるため、ときには泣き出してしまいます。
ですが、もし全く夜泣きをしない赤ちゃんだったとすると、脳の成長が促進されないので大きくなったあと生活環境に適応できなくなる恐れがあります。よって、そういう観点からみると夜泣きは赤ちゃんの脳が正常に働いている証拠なので正常な状態の裏返しとも言えるんです。
なお、生後3ヶ月頃から赤ちゃんはレム睡眠から深い眠りのノンレム睡眠への移行が進むためその刺激で目を覚まして夜泣きをしてしまうことが多くなります。このレム睡眠からノンレム睡眠への移行が安定していくと夜泣きが少なくなるとされています。
【参考】赤ちゃんの「睡眠覚醒リズム」について
生後1~2ヶ月の新生児は睡眠覚醒リズムがまだ確立されていないたぜ短い眠りと授乳を繰り返します。
睡眠覚醒リズムが確立されると人間が本来もっている体内時計が備わってきます。すると、浅い眠りのレム睡眠の割合が減っていき夜は徐々に深く眠ってくれるようになり夜泣きも減っていきます。
その睡眠覚醒リズムが確立されるのは生後3、4ヶ月頃までだったり、生後5,6ヶ月以降に始まるなど個人差があります人によっては1歳半ぐらいまで確立されないまま続くこともあります。
赤ちゃんが自然と眠ってくれるためには?
赤ちゃんが自然と眠ってくれることが一番に安心できることかと思いますが、それが如何に難しいか?そう思うママが大多数だと思います。そこで、赤ちゃんの睡眠に大切な3つのポイントをご紹介します。
参考:大人にもオススメ、赤ちゃんが自然に寝つくための入眠儀式とは
1.寝る時間を決める
大切なことは「寝る時間を決める」こと。また、寝る目安時間は夜9時前に設定することです。
乳幼児の睡眠アンケート調査によるとアメリカやイギリス、オーストラリアなどの白人の多い国では日本よりも子どもが寝る時間が早くて睡眠時間も長いそうです。中でもラグビー世界一に長く君臨するニュージーランドの子どもは平均で19時28分と最も早く寝ていて、逆に香港の子どもが一番遅く22時18分でした。一方、日本は?というと21時過ぎぐらいで1日のトータルの睡眠時間は平均11時間37分で調査した国の中でももっとも短い結果です。
睡眠は健康や脳に大きく影響を与えるとされていますし、寝不足の赤ちゃんは太りやすいというデータもあるので早めに寝て長い睡眠時間を心掛けてあげる必要があります。
2.入眠儀式を徹底
「入眠儀式を徹底」させてみましょう。以下の3ステップの入眠儀式をすることでが良質な睡眠に入りやすくなるとされています。
- 温かいお風呂
- ローションマッサージ
- 静かな環境で歌ってあげたり絵本を読むなど
この3ステップを繰り返し2~3週間続けることによって夜中に目覚める回数が減ったりまとまった睡眠時間の延長に効果があると明らかにされています。
3.自然と静かに眠りにつかせる
最後に「自然と静かに眠りにつかせる」ことです。
ほとんどの赤ちゃんは夜中に2~6回は必ず目を覚ましているとされています。そのときに赤ちゃんが自力でもう一度眠れるかどうか?が重要だとされています。
もし、その重要なときにママが近寄ってきて抱っこや授乳などをしてしまうと、赤ちゃんがそれに慣れてしまってその行為がないと眠れなくなる習慣が身についてしまう可能性も。そのため、最初は背中をトントン叩いてあげるといった軽いコミュニケーションだけにしてあげて、最終的には赤ちゃんが1人で眠れるようにしていってください。
- ミルク育児だと夜起きないのはなぜ?
ミルク育児をしている赤ちゃんは母乳育児をしている赤ちゃんと比べて夜のグズリが少なくて夜中起きずに眠っていてくれることが多くなると言われています。
ですが、本来赤ちゃんの体内時計は夜中も起きるサイクルになっているので自然ではありません。
夜中の授乳が無くなるから喜ばしく思うかもしれませんが、裏を返せば本来赤ちゃんに備わっている体内時計のサイクルを無視して眠り続けさせているということも言え、場合によってはその反動によって、大きくなってからの夜泣きが酷くなり、夜中に起きたりする要因になることも。さらに、本来起きていたはずの時間に眠ってしまっているので脳の成長を遅らせてしまう可能性があります。
母乳とミルクを併用して育児を考えている場合は赤ちゃんの体内時計のサイクルを崩してしまわないよう注意してあげましょう。
赤ちゃんの睡眠の質を確認する
ただ、寝かせるのではなく、赤ちゃんの睡眠の質にも気を付けてあげて下さい。なお、加ちゃんの睡眠の確認する際は、以下の項目にいくつ当てはまるか?チェックしてみてください。項目で当てはまる箇所が多いほど赤ちゃんの睡眠の質が低下している可能性が高くなります。
- 電話で会話をしながら授乳をしている
- 昼間の赤ちゃんが起きている時間も部屋が暗い
- 食事やお風呂の時間が決まっていない
- 赤ちゃんが寝る部屋の明かりが夜もつけっぱなし
- 寝かしつけるときに親か赤ちゃんがスマホをいじっている
- 朝7時30分に起きない
- 2時間以上の昼寝をしている(月齢6ヶ月以上の場合)
- 夜に寝ているとき少しの物音でも目を覚ます
- 夜20時以降の寝る直前に食事をとる
- エアコンを24時間つけっぱなし
当てはまる箇所が多かった場合は、赤ちゃんの睡眠の質を上げるために身の回りの環境を改善するように心がけましょう。
ママの睡眠不足解消法
赤ちゃんが夜中に何度も起きて睡眠不足に陥っているママへおすすめしたいママの睡眠不足解消法に「一分間仮眠法」というものがあります。睡眠不足に陥っている母乳育児ママはぜひ参考にしてみてください。
1分仮眠法
1分仮眠法は「坪田聡さん」が提唱している仮眠法で、1分と20分の仮眠を組み合わせて行う方法です。目や体に疲れを感じたり眠気がきたらりしてやる気が落ちてきたと感じたときに取り入れます。日中に20分間の仮眠を1回と1分間の仮眠を20回ほどとると効果が現れてくるそうです。
(1分仮眠法の手順)
STEP1
椅子に深く腰掛けてください。
STEP2
外からの情報を完全に遮断してください。
STEP3
全身の力を抜いて軽く目を閉じます。
STEP4
その状態のまま1分間仮眠してください。
眠気をずっと我慢してから仮眠をとるのではなく、眠気が来そうと感じたらすぐに仮眠をとるのがコツです。眠気を我慢してから仮眠すると起きれなく鳴ったり2度寝をしてしまうことがあるので注意してくださいね。
仮眠を終えたらスッキリして回復したと自身に言い聞かせると良いでしょう。さらに、ワクワクするようなことを妄想して興奮状態に持って行くとより効果的です。寝付きが悪いときは脳が興奮状態にあるのでそれを意図的に起こさせるのです。
夜長く寝るには昼間の頻回授乳
赤ちゃんが夜長く寝るには昼間の頻回授乳が大切です。頻回授乳とは一般的に3時間おきとかに授乳するという間隔よりも短く高い頻度で飲ませてあげるやり方のことです。例えば昼間2時間くらいで授乳している赤ちゃんは夜に授乳間隔が空いても問題ありません。
赤ちゃんい無理に飲ませ過ぎてもいけませんし、頻回授乳は授乳間隔が短いから外出とかしづらくて大変かもしれませんが、どうしても睡眠不足でママが大変なときは昼間の頻回授乳も選択肢として持っておくようにしましょう。
なお、たくさんおっぱいを吸わせることは母乳の分泌量を増やすことにも繋がりますので、母乳不足感をお持ちのママであればぜひ試みてください。
赤ちゃんもママも辛くない卒乳方法9選
夜中の授乳がいつまで続けばいいのか?心配なママにも、赤ちゃんの時期が来るにつれて自然と“卒乳”を迎えるようになります。ここでは、そんな卒乳方法について母子共に辛くならない卒乳方法をお伝えします。
1.卒乳トライ前にチェック
卒乳をトライする前に以下の項目をチェックしておきましょう。
- ママもパパも気持ちに余裕がある
- 赤ちゃんもママも体調が良い
- 赤ちゃんがストローやコップを使える
- 母乳・ミルク以外から栄養がとれる
卒乳を決める時期で重要なことは赤ちゃんの年齢は関係ありません。卒乳を受け入れる準備が整っていることが何よりも大切で、逆に整っていないのであれば成功することは難しいでしょう。
2.平均的な卒乳時期はいつ?
(1)0~3カ月 3%
(2)4~6カ月 7%
(3)7~9カ月 8%
(4)10~11カ月 11%
(5)1才~1才3カ月 42%
(6)1才4~6カ月 18%
(7)1才7カ月~2才 8%
(8)それ以上 3%
1才~1才3ヶ月が全体の約4割と圧倒的に多いです。
0才代での卒乳は約3分の1で早めの卒乳はママが病気になった、母乳量が少なくなったなどの事情によるものが目立ちました。
3.卒乳時期に決まりはナシ! 目安は1才半~2才ごろ
卒乳時期は特に決まりは無く、実際に2年以上も夜中に授乳しているママも少なくありません。ただ、2年以上も夜中に授乳していると「周りと比べてどうなのかな?」と気にする思いから言わない方が多いようです。卒乳時期の目安としては辛い思いをしないように1才半~2才ごろを目標にして進めていきましょう。
4.母乳を飲ませる時間徐々に短くする
普段は10分くらい飲ませていた授乳時間を8分、翌日は6分という具合に飲む時間を短くしていきましょう。授乳時間を減らすことによって母乳の分泌量を少なくなりますし、赤ちゃんが飲む量も減っていきます。
5.母乳を飲ませる回数を徐々に減らしていく
母乳を飲ませる時間を短くして、もし大丈夫そうでしたら回数を減らしていってください。昼間から減らすほうがいいでしょう。母乳を欲しがって泣いてしまったらお茶などを飲ませてあげたりおやつを少し食べさせてあげます。あやしてあげたり一緒に外へ出かけたりするのもおすすめです。
6.3日間与えないよう決断
卒乳しようとしている時期は赤ちゃんにかわいそうな想いをさせていると感じるかもしれません。ですが、おっぱい以外に興味を持って一人遊びをするためのきっかけにもなります。3日間を乗り切ったあとは拍子抜けするぐらいおっぱいに興味を示さなくなることがほとんどです。
7.卒乳計画を立てよう
まず母乳を3日間与えない日をいつにするか決めるところからスタートです。それには周りの家族や親戚、知人の協力も必要になるでしょう。協力してもらえる日や予備日も決めてそこから逆算していくと良いですよ。
8.ママのおっぱいケアを忘れずに
3日間を乗り切ることが出来たら母乳はもう必要が無くなります。3日間たまっていた母乳をしっかり排乳して乳管の詰まりをとるケアをしてきましょう。続けて5日~1週間ほど母乳をためて排乳を3~4回くらい繰り返すと卒乳は完了となります。
9.【参考】断乳しなくてはいけないときは?
卒乳と併せてよく聞くのが「断乳」。卒乳と違い、赤ちゃんの都合を考えずに半ば強制的におっぱいの期間をストップする方法です。最近では断乳よりも卒乳の方が浸透してきているので見過ごしがちなこともありますが、例えばママの体調やストレスの都合でどうしても断乳をしなくてはならないケースもあります。
よって、卒乳と併せて断乳の方法も以下にまとめておきます。
ここでは「言い聞かせ断乳・卒乳」のやり方をご紹介します。
STEP1
断乳の日を決める。
STEP2
断乳の日をカレンダーに印をつける。
STEP3
「この日になったらおっぱいが○○に変わっちゃうからおっぱいは終わりだよ~」と赤ちゃんに断乳する日の1ヶ月前から言い聞かせる。※○○の部分は動物やキャラクター、ばんそうこうが良いです。
STEP4
断乳の日が来たら「これでおっぱいは○○になってバイバイだからタップリ飲んでね~」と話しかけてください。
STEP5
最後の授乳が終わったら「これでおっぱいはバイバイだね~」と赤ちゃんと一緒にバイバイしてください。
STEP6
おっぱいをほしがったら「○○になっちゃんたんだよ~」と言い聞かせる。おっぱいに言い聞かせた動物やキャラクターを実際に書いたりばんそうこうを貼って見せてあげるのもいいですね。
言い聞かせるのは嘘をついてるようで少し嫌な気分になったり切なくなることもあるかもしれません。ですが、実際に断乳が終わると言い聞かせもちゃんと理解してくれたんだという喜びも実感することができます。
なお断乳する際は日程を決めたらそれに向けて徐々に食べる量を減らすことで、断乳後のおっぱい詰まりや断乳太りを事前に防ぐことにも繋がります。
卒乳後に気を付けるべきこと4選
1.卒乳後の下着選びは慎重に
卒乳後の最初に気を付けるポイントは下着選び。卒乳後は垂れてしぼんでしまいそうになっているおっぱいを早くなんとかしてあげなくてはいけません。ですが、母乳の分泌がまだある状態で胸を締め付けてしまうと乳腺の原因にもなりかねません。かといって母乳の分泌が完全にストップしたとしても妊娠前のサイズに戻ることはありません。そのため、再度バストを測って現状にぴったりフィットしたサイズを選び直すようにしましょう。
2.ママのおっぱいケアを忘れずに
卒乳して3日間授乳をしないことによって「これ以上は母乳はいらない」というサインが脳に認識されます。そのため、この時期は胸が張ってつらいからといってたくさん搾ってしまうと再び母乳が分泌してしまう恐れがあります。
以下で説明する排乳するための乳腺の詰まりをとる方法は加減が難しいと感じるかもしれません。ママの中には卒乳よりも大変だったという方もおられるぐらいですので、困難な場合は専門家によるおっぱいケアを受けることも念頭に置いておきましょう。
(乳腺の詰まりをとる方法)
STEP1
おっぱいを片手で支えて、もう片方の親指と人差し指を乳輪の境目に直角に当てます。指3本のほうがやりやすい場合は3本でも大丈夫です。
STEP2
そのままの状態で痛みを感じない程度の強さで乳首を軽く押し込んでください。
STEP3
押し込んだあとは指先で搾るように乳首をそっと引っ張ってください。角度を変えて左右の乳首で2~3回ずつ繰り返します。
STEP4
乳首が柔らかくなったらもみほぐしてください。
3.カロリー、脂肪分の多い食事は避ける
卒乳しても急に母乳の分泌が止まるわけではありませんので、乳腺の詰まりによる乳腺炎の予防のために高カロリー&高脂肪の食品は避けましょう。また、水分のとり過ぎも母乳が分泌されやすくなるため卒乳したあとの数日間は控えめにしてください。アルコールも母乳の分泌が止まるまで我慢しましょうね。
4.赤ちゃんの心のケアを大切に。
赤ちゃんがおっぱいを欲しがる理由は本能的な栄養だけでなく、安心感を求める精神的な部分も大きいです。そのため、卒乳したらいっぱい話しかけたり積極的にスキンシップをするなど別のかたちで心を満たしてあげましょう。卒乳したら終わり、ではなく赤ちゃんの安心感を得られるようなアフターケアも忘れてはいけません。
まとめ
夜中の授乳が大変に感じるママに向け、夜間授乳~夜泣き~卒乳対策までの対策をご紹介させていただきました。赤ちゃんもママも人間です。予定通りにいかないこともあり、それが母乳育児のリアルだったりします。
そのため、ここでお伝えした対策を取り入れ、あなた自身のお体と赤ちゃんの様子を見つつ必要に応じてアレンジしながら進めてみてください。
赤ちゃんに飲んでもらうママの母乳の出が悪くて、授乳そのものに悩みをお持ちであれば普段からの水分補給が大切に。この時期に活躍してくれる母乳向けハーブティーなどを利用して母乳体質を目指してみてくださいね。詳しくは「母乳育児におすすめのハーブティー13選。授乳中のママの悩み対策を」でもお伝えしておりますので、あわせてご参考になさってくださいませ。
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