ママの食べ物や食べた時間が母乳に与える影響は?

自分が普段から食べている食べ物が母乳にどれだけ影響するのか?食べ物の影響が母乳に反映されるのはどれくらいか?万が一、悪い食べ物を食べてしまったら赤ちゃんへの影響はどうなのか?など、本記事では食べ物と母乳への影響が気になる母乳育児中のママに向け、

  • ママの食べ物が母乳与える影響
  • 授乳中に注意すべきポイント

についてお伝えします。

ママの食べ物は母乳に影響する

ふと思ったのですが食事をしてからその栄養が母乳になるまで大体時間にしてどれくらいで

母乳になるのでしょうか?

引用:Yahoo!知恵袋

赤ちゃんに届ける母乳はママの食べ物の影響を受けて生成されます。

だからこそ『自分が食べた食べ物が母乳に影響するまでの過程を知りたい』と多くのママが日々頭を悩ませています。

食べ物が母乳に影響する理由

母乳は血液で作られているのでママの食べ物は母乳に影響します。

赤ちゃんを出産するとママの体から「プロラクチン」と「オキシトシン」という母乳に深く関わる2つのホルモンが分泌されます。プロラクチンは母乳を作るために血液を乳房に集めて乳腺の腺房に運ばれます。オキシトシンは母乳を乳頭へ運ぶ働きをもっているのです。

血液は栄養を体全体に運ぶ働きをもっていますが、その血液の中にはママが摂取した食べ物の栄養素が豊富に含まれています。バランスの良い食事を心がけることで母乳の質や味に良い影響を与えるので、赤ちゃんの健やかに成長につながります。

食べ物が母乳に影響する時間は?(何時間後?)

ママの食べ物(摂取したもの全般)が母乳に影響する時間は摂取してから約2~3時間後とされています。

参考出典:流山市薬剤師会助産院ばぶばぶ 大阪・阿倍野小児科 すこやかアレルギークリニック

ただし、食べたときのママの状態や食べ物によって影響する時間帯は変化します。(詳しくは後述する「摂取物別、母乳への移行時間」で食品ごとの移行時間の詳細をご確認ください。)

食べ物によって母乳の味にも影響する

母乳の味が甘い場合と苦い場合の違いは?味や質に影響はある?」でも解説していますが、母乳の味は食べ物によって影響します。

なかでも香辛料など刺激の強いものは授乳期の摂取を控えてください。

また、脂質の多い食べ物を毎日摂り続けると母乳の脂質も多くなるので摂り過ぎには注意しましょう。脂質を取り過ぎると母乳を与えたあとに赤ちゃんにニキビができることもあります。

卵や乳製品を控えるは嘘

授乳中に小麦や乳製品、卵を食べると子供がアレルギーになるというのは本当ですか?

慣れない夜育児にヘロヘロの朝はつい手軽なトースト、ヨーグルト、目玉焼きなんですが…。まずかったかな?
ていうか入院中の病院食で毎日牛乳と卵サンドが出てたんですが!

この情報はガセですよね…?

引用:Yahoo!知恵袋

卵や乳製品は赤ちゃんのアレルギーの原因になるのでは?と心配して食べることを控えるママもいますが、実は赤ちゃんのアレルギーに影響するというのは嘘。

その理由は以下の2つです。

1.適度なアレルゲンの摂取は必要

現在のアレルギー治療ではアレルゲンをあえて少しずつ摂ることが必要とされているので、アレルギーの原因となるアレルゲンを食事から一切摂取しないというのはアレルギーを引き起こすリスクを高めることになります。

参考出典:アレルゲン免疫療法アレルギーの食べ物あえて食べる「経口免疫療法」

また、栄養価の高い卵や乳製品を食べないことはママの栄養バランスを崩す恐れもあるので母乳の質に悪影響を与えてしまいます。

2.母乳にはアレルゲンは出ない

母乳はママが食べたアレルゲンとなりえる食べ物を摂取してもろ過する働きがあります。

そのため、よほど過剰摂取をしない限り卵や乳製品をたくさん食べても母乳の成分に影響しません。

摂取物別、母乳への移行時間

食べ物

調理方法・一緒に食べる食べ物・個人差なども影響しますが母乳への移行時間はおよそ2~3時間。

その後、5~6時間後くらいまで母乳成分が続けて出るとされています。

カフェイン

摂取してからの移行時間は15~30分がピーク。およそ1~2時間ほどでほとんどが母乳に移行します。

母乳に移行する量は0.06~1.5%、ママの体内からカフェインが半分まで排出されるまでの時間は約5時間ほどかかります。

赤ちゃんの体内からカフェインが半分まで排出されるまでの時間は「新生児:98時間」「生後3~5ヶ月:約14時間」かかるため日常的にカフェインを摂取していると赤ちゃんの体内にいつまでも蓄積されてしまいます。

アルコール

アルコールを摂取してから数分後に母乳に移行し始め、約30~90分でアルコールの濃度がピークになります。

授乳を3時間おきにしている場合は、その間のアルコールは控えるようにして、どうしても我慢できないときは飲む前に搾乳しておきましょう。

なお、アルコールによる赤ちゃんへの悪影響は学習能力の低下、記憶障害、低身長・低体重の発達障害のリスクがあります。

薬の成分によって母乳へ移行する量や時間の差はありますが目安は服用後3~4時間がピーク。

参考出典:中野こどもクリニック >薬と母乳

具体的に授乳中に禁止されている薬は以下の通り。

[授乳中に禁止されている薬]

  • 放射線医薬品
  • 抗がん剤
  • 抗不整脈
  • 抗精神病薬
  • 麻薬

これらの他に市販薬のバファリンに含まれているアスピリン(消炎鎮痛剤、心臓病治療)も服用は避けてください。(販売元でも授乳中の服用は避けるよう呼びかけられています。)

なお、小児用バファリンについてはアスピリンの代わりにアセトアミノフェンを主成分としているので乳幼児への悪影響の心配はありません。

喫煙

喫煙後の30分後に体内のニコチン濃度がピークになって、約3時間後に大きく低下します。

喫煙の悪影響として母乳の生産量が低下に影響します。

また、授乳中の喫煙は母乳を介して赤ちゃんにも移行しますが、ママ(成人)と比べて代謝が低い乳幼児には体への負担は大きく、赤ちゃんの不眠・夜泣き・食欲低下にも影響するため授乳中の喫煙は控えてください。

参考出典:受動喫煙 – 留萌市立病院

また乳幼児の誤飲物としてタバコが1位となってますので、タバコ1本分は乳幼児の致死量に相当するので保管する場所には注意してください。

参考出典:子どもの誤飲、たばこが最多 厚労省「飲み物与えずに」

授乳中はバランスの良い食べ物の摂取を

食事バランス ガイド 厚生労働省

出典:食事バランス ガイド 厚生労働省

特別な食事は必要ない

授乳中は「お餅を食べると母乳がたくさん出る」「脂っこいものや甘いものは母乳が詰まる」などと言われることもありますがが、実は授乳中だからこその特別な食事というものは必要ありません。

大切なのは野菜・果物・豆類・イモ類・肉・魚・乳製品を普段の食事にバランスよく取り入れることです。

授乳中の人だけに限らず脂っこいもの、甘いものを食べても食べ過ぎなければ問題ありません。

なお、脂っこいものや甘いものが母乳の詰まりになると言われているのは日本特有のもので、アメリカでは母乳の詰まりの原因は食事ではなく、母乳が空になるまで赤ちゃんが十分に飲んでいない、締め付けの強い下着をつけていることが原因とされています。

まとめ

ママの食事から摂取された栄養素は時間とともに母乳生成に促されるため食べ物の内容が母乳の質に影響します。

バランスの良い食事の献立を考えつつ、赤ちゃんに影響のある可能性があるものをどうしても食べなくてはいけないときは時間をおいて摂取するよう心がけてくださいね。

なお、もっと母乳の出を良くしたい!とお悩みであればこちらの記事でもお伝えしていますのであわせてご参考になさってみて下さいね。

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