妊娠中は普段よりも水分が必要になるため、水分補給が欠かせません。
そこで水分補給に悩む妊婦さんに向けて
- 妊婦さんにおすすめの飲み物・悪影響の飲み物
- 妊婦さん自身だけでなく、お腹の赤ちゃんにも喜ばれる飲み物
についてお伝えします。
関連記事 妊娠中におすすめのゼリー4選。甘さや栄養補給を兼ね備えたものは?
目次
妊娠中にOKな飲んでいい飲み物の特徴
ノンカフェイン・子宮収縮作用がない・アルコール無し・人工甘味料無し・甘すぎない、これらを満たしたものが妊娠中に飲んでもOKなおすすめの飲み物の特徴となります。
加えて、妊娠中の妊婦さんとお腹の赤ちゃんに必要な栄養(葉酸など)を含んでいれば尚おすすめです。
妊娠中にNGな飲み物の特徴
アルコール
妊婦さんがアルコールを摂取すると、胎盤を通じて胎児もアルコールを摂取した状態になるため(胎児性アルコール症候群)、出産時に障害・発育不全をもって生まれてくる可能性があります。
一部のハーブ
カモミール・セージ・ジャスミン・アロエ・レモングラス(子宮を収縮させる)、セントジョーンズ(子宮を緊張させる)、ベニバナ(子宮を興奮させる)、サフラン(子宮を刺激する)、これらのハーブが含まれている飲み物は妊婦さんは控えてください。
「母乳育児におすすめのハーブティー13選。授乳中のママの悩み対策を」でもお伝えしているように、ハーブティーは産後の母乳育児期にこそ効果的な働きを持つものが多いため、産後に飲むようにしてください。
タンニン
タンニンは血液生成に欠かせない鉄の吸収を阻害するため、タンニン入りの飲み物(例:紅茶・緑茶・コーヒー・ワイン・ビールなど)は妊娠中は控えてください。
カテキン
カテキンは葉酸の働きを阻害する作用があります。妊娠中に葉酸が不足すると先天性障害を持つ赤ちゃんが生まれてくる可能性が高くなりますので、カテキンを含む飲み物(例:緑茶)は妊娠中控えてください。
カフェイン
妊娠中のカフェインの飲み過ぎは胎児の発達に影響する可能性があります。
1日1、2杯であれば許容範囲と考えられていますが、体質に個人差があるため極力飲まない方が良いです。
栄養ドリンク
種類によってカフェインやアルコールが含まれているため、妊娠中の摂取は控えてください。
井戸水・湧き水
井戸水や湧き水は殺菌されていないので不衛生なため、デリケートな妊娠中は飲まないようにしてください。
完全NGではないができれば控えたいもの
決して妊娠中の完全NGではなくとも、摂取量や体質に個人差があるため、以下はできれば妊娠中の摂取は控えてください。
品目 | 理由 |
コーヒー・日本茶・ウーロン茶紅茶・コーラ・緑茶・ほうじ茶 | フェインが含まれている。摂取量によって調整すればNGではないが、個人差があるのでできる限り控えたい。 |
ハーブティー | 子宮収縮をはじめとした子宮への刺激に影響する。飲んでいいのは妊婦さんOKと書かれているもの限定。 |
甘酒 | 子宮収縮をはじめとした子宮への刺激に影響する。飲んでいいのは妊婦さんOKと書かれているもの限定。 |
甘酒 | 酒粕で作られたものはアルコールを含むのでNG。なお、こうじから作ったものは大丈夫。 |
ノンアルコールビール | アルコールが全くの0というわけではなく、わずかに含まれるものが多い。摂取における影響には個人差があるのでできる限り控えたい。 |
清涼飲料水(アルコール・乳製品以外の飲み物全般、炭酸飲料[コーラ・スプライトなど]も含む)、チョコレート飲料 | 糖分が多いので妊娠糖尿病の原因となる。 |
硬水 | 硬水はカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多めに含まれるため、デリケートな状態で飲むと硬水は腎臓に負担がかかって下痢や不調の原因となります。また、「赤ちゃんのいる育児ママが必ず押さえてる!赤ちゃんのミルクづくりに安心の水は軟水?硬水?」でもお伝えしたように、赤ちゃんは硬水の負担になるため、母乳を通じてお腹の赤ちゃんに届けられないようにしてください。 |
妊婦さんにおすすめの飲み物22選
1.麦茶
ノンカフェインなので妊婦さんだけでなくお腹の赤ちゃんにも安心の麦茶。
麦茶は食物繊維やミネラルが豊富のため、便秘対策も含め妊娠中の妊婦さんの水分補給におすすめ。また、夏バテ予防や利尿作用もあります。
ただし、漢方薬としても有名な「ハト麦」は子宮収縮の作用があるので妊娠中は飲まないようにしてください。
2.小豆茶
小豆は昔から健康食として親しまれており薬膳にも欠かせない食べ物。
小豆茶にはポリフェノール・ビタミン・ミネラルが豊富に含まれており、血流を促す働きが期待できます。
3.そば茶・韃靼そば茶
ミネラルが豊富で、ノンカロリー且つノンカフェイン飲料であるそば茶。
動脈硬化予防・血液サラサラ対策・血圧を下げるなどの生活習慣予防対策として飲まれている方も多い飲み物で、妊娠中でも安心して飲むことができます。
中でも韃靼そば茶は普通のそば茶と比べてルチン(抗酸化作用があり、中性脂肪の高い方に効果的に働きかける。)を豊富に含んでいるのでおすすめ。
ですが、そばアレルギーの方は飲まないようにご注意ください。
4.黒豆茶
黒大豆を原料としたお茶である黒豆茶。
イソフラボンなど、女性ホルモンと似た成分が不安定になりがちな妊婦さんの女性ホルモンのコントロールをサポートする働きがあるだけでなく、血液をサラサラにする・高血圧の予防、などの働きも期待できます。
5.ごぼう茶
ごぼうの皮には内の活性酸素を取り除き、生活習慣病を予防するポリフェノールがたくさん含まれており、妊婦さんにも嬉しい飲み物です。
独特の風味が苦手でなければおすすめです。
6.杜仲茶
鉄分・亜鉛・カルシウム・マグネシウム・ビタミンなどの栄養が含まれる杜仲茶。
体内の老廃物の排出を促し、体内環境を整えてくれる働きがあります。
7.コーン茶・とうもろこしひげ茶
ノンカフェインでほんのり甘みがあるコーン茶やとうもろこしひげ茶は、妊娠中でも安心して飲むことができます。
低カロリーで利尿作用もあるため、妊娠中のむくみ対策としてもおすすめ。
7.醗酵ギンネム
沖縄で収穫されるギンネムには植物性カルシウムが豊富に含まれ、カルシウムは緑茶の約40倍、ウーロン茶の約50倍ともいわれています。
お腹の赤ちゃんの発育とママのカルシウム不足を解消におすすめの飲み物です。
8.デカフェ
カフェインを全く含まないデカフェ。
デカフェにはコーヒーや紅茶などがあり、普段は飲んでいるのに妊娠中でカフェイン対策として飲めなくなったものはデカフェ版を飲むと代用できます。
9.たんぽぽ茶・たんぽぽコーヒー
タンポポの根を焙煎して作られたノンカフェイン飲料であるたんぽぽ茶・たんぽぽコーヒー。
「たんぽぽコーヒーのおすすめ5選。悩み別(妊活・母乳)の人気一覧」でもお伝えしているように、味も香りも本物のコーヒーとほとんど変わりないため、コーヒーが好きだけど妊娠中は飲めない、とお悩みの方におすすめ。
たんぽぽは血行促進・便通改善の働きがあるだけでなく、母乳の出に働きかけてくれるので産後の母乳育児期にも重宝します。
10.ルイボスティー・葉酸ルイボスティー
ルイボスティーは同じハーブでも子宮収縮などの悪影響の心配も無く、妊娠中でも飲むことができます。
クセがなくて飲みやすく、カルシウムや鉄分が豊富なので貧血になりやすい方には特におすすめ。
なお、ルイボスティーには「葉酸ルイボスティー」と呼ばれる葉酸を含んだルイボスティーもあります。
妊娠中の葉酸摂取は欠かせませんので、葉酸補給も兼ねる場合は葉酸ルイボスティーがおすすめです。
11.ラズベリーリーフティー
ラズベリーリーフティーに含まれるフラガリンが子宮や腰回りの筋肉を収縮させて正常に保つ働きを促進する役割があるため、ヨーロッパでは「出産準備のお茶」として古くから親しまれてきました。
ただし、子宮収縮に影響する働きがある以上、妊娠初期・中期は控え、あくまでも飲む際は妊娠8ヶ月を過ぎてから(妊娠後期)にしてください。
12.ローズヒップティー
すっきり爽やかな酸味が飲みやすいローズヒップティー。
鉄分・カルシウム・ビタミンも豊富で、特につわりで食事がままならない妊娠初期の栄養補給としておすすめです。
13.牛乳、ヨーグルトなどの乳酸菌飲料
牛乳や乳酸菌飲料は妊娠中の便秘予防・カルシウム不足におすすめ。
ですが乳酸菌飲料の場合、過剰に飲みすぎることで糖分摂取量が増え過ぎてしまわぬようご注意ください。
14.米麹原料の甘酒
米麹原料の甘酒ならアルコール分を含まないため、妊娠中でも飲むことができます。
甘酒は「飲む点滴」と呼ばれるほど豊富な栄養を持つため、米麹原料の甘酒なら消耗が激しい妊娠中の栄養補給におすすめです。
15.リンゴ酢ドリンク
りんご酢ドリンクは新陳代謝を高め、妊娠中の便秘の解消や疲労回復に期待できます。
また、リンゴ酢はカルシウム・鉄・マグネシウムなども妊娠中に欠かせない栄養も摂取できます。
参考:日本食品標準成分表
16.白湯
水を一度沸騰させ人肌より若干熱めの50℃程度まで冷ました白湯。
胃腸に優しく、味もにおいもしないので特につわりが酷いときに飲みやすくおすすめです。
17.軟水のミネラルウォーター
軟水は硬水とは違い腎臓に優しいので、妊娠中でも安心して飲むことができます。
18.果実ムージー・野菜ジュース
果実スムージーや野菜ジュースなら妊娠中のママやお腹の赤ちゃんに必要な「葉酸」を摂取ができます。
葉酸は胎児の「二分脊椎」(神経管閉鎖障害)が起こる可能性を低減させる働きがあり、妊娠前から妊娠後、特に妊娠の1カ月前~妊娠3ヶ月の間に厚生労働省が推奨する葉酸量を摂取することで発生リスクが低減できるといわれています。
出典:厚生労働省
19.青汁
青汁からも葉酸を摂取することができます。配合量はメーカーごとに異なるため、あらかじめ購入前に葉酸の摂取量を確認しておきましょう。
20.ミルミルS
1本(100ml)あたり葉酸240μg摂取できるミルミルSなら妊娠中の水分補給と栄養補給が同時にできます。
21.炭酸水
カロリー・糖分・塩分ゼロの炭酸水。「つわりが酷いときにでも飲むことができた」という妊婦さんも多い特に妊娠初期で人気の高い飲み物。
味わいもさっぱりして飲みやすく、つわり特有のムカムカした気持ちもすっきりさせてくれます。
「つわりには炭酸飲料がおすすめ!摂るメリットと注意点は?」でもお伝えしてますが、炭酸水は便秘解消にも効果的です。
22.果汁100%グレープフルーツジュース
すっぱくてすっきりしたグレープフルーツジュースも特に妊娠初期のつわり時に飲みやすい飲み物。
ビタミンC・葉酸が含まれているだけでなく、抗酸化作用、疲労回復にも働きかけます。
妊婦さん体験談|先輩ママは何を飲んでいたのか?
私は無類のコーヒー好きなので、カフェインレスのコーヒーを飲んでました。
引用:Yahoo!知恵袋
冬場は「26tea」を飲んでいました。個人的には麦茶より癖がなくて飲みやすかったです。保温ポットにお茶っ葉入れて、お湯を入れて…1日2ℓ以上飲んでいました。
引用:Yahoo!知恵袋
私は妊娠中、口をサッパリしたかったので、炭酸水をよく飲んでました。
ジュースと違って虫歯の心配もないし、お腹も膨れて食べ過ぎることも防げます。引用:Yahoo!知恵袋
人によって何を飲まれているか?は様々ですが、自分の好み(コーヒー好きならカフェインレスコーヒー)や飲みやすさ(サッパリする、癖がない)から選べば妊娠中も継続的に水分補給ができるでしょう。
妊娠の時期別、飲み物選びのポイント
妊娠初期|つわり対策を中心に
妊娠初期はつわり症状の影響で気持ち悪さを感じる妊婦さんが多いので、さっぱりしたもの・柑橘系のものなどがおすすめ。
(例)炭酸水、レモンジュース、グレープフルーツジュースなど。
悪阻がひどいと、飲みたい物も酸っぱい物や、さっぱりした物を求めてしまいます。
普段は炭酸飲料は飲まないのですが、先月からすごく飲みたいのがレモンスカッシュなんです…。引用:Yahoo!知恵袋
関連記事 つわりに効く飲み物は何がおすすめ?妊娠中に飲みやすいドリンク特集
妊娠中期|水分補給と鉄分補給を心がけて
妊娠中期は貧血・めまい・ふらつき・むくみ、などで悩むことがあります。そのため、血液の元となる鉄を含んだ飲み物がおすすめ。
(例)リンゴ酢、毎日ビテツ、ローズヒップティー
気休めに リンゴ酢(無糖でオリゴ糖を混ぜてます)を飲み始めました。
少しは効くといいなぁ?。引用:ガールズちゃんねる
妊娠後期|出産前の水分補給
妊娠後期はもうすぐ出産間近。出産時は大量の出血が伴うので、血液の元となる水分補給を今のうちから欠かさずに。
妊娠後期に急に体重が増えるケースもありますが、太り過ぎは高血圧や妊娠中毒症の原因となりますので、糖分の少ない飲み物を意識してください。
(例)白湯、麦茶、軟水のミネラルウォーター
妊娠中の悩み別、飲み物選びのポイント
冷え性対策
冷え性対策には飲み物の種類以上に温かい飲み物にして飲みましょう。
また、ルイボスティーにすりおろした生姜+はちみつを加えて特性ジンジャーティーを作るのもおすすめです。
便秘対策
妊娠中の便秘対策ならカルシウム・マグネシウム・ビタミンCなどを摂取してください。
そのため、グレープフルーツジュースや牛乳などを中心とした水分補給を心がけてください。
つわり対策
気持ち悪さを感じるつわり時期は炭酸水・レモンジュース・グレープフルーツジュースなど、さっぱり・スッキリ系の飲み物がおすすめ。
リラックス対策
元々カフェイン飲料が好みの方であれば、妊娠中はカフェイン摂取ができないことでストレスを感じていることもあります。そのため、デカフェのコーヒーや紅茶、たんぽぽコーヒーなどを代わりにするのがおすすめ。
また、ルイボスティーも気持ちを落ち着けてくれる働きがあるのでリラックス対策としておすすめ。
胎児に優しい
妊娠中の胎児にやさしい飲み物なら、お腹の赤ちゃんの成長を助ける葉酸を含んだ飲み物がおすすめ。
葉酸ルイボスティー・果実ムージー・野菜ジュース・青汁・ミルミルS、などは葉酸が含まれています。
飲み過ぎには注意
特に多少なりともカフェイン・アルコール・糖分を含む飲み物は、影響が0ということではないため、いくら少量でも飲み過ぎないようにご注意ください。
また、冷たい飲み物なら飲み過ぎることで体の冷えから血の巡りへ影響し、胎児へ酸素や栄養が届けにくくなる・下痢の原因となる、などもあります。
妊娠中は水分補給が欠かせない/まとめ
妊娠中は体内の血液量が普段と比べて40%ほど多くなるため妊娠する前よりも水分が必要な状態になり、1日の水分摂取目安として2リットルほど(食べ物からの摂取もふくむ)と考えられています。
また、妊娠することで体の新陳代謝が活発になるため汗もかきやすく、特に夏場は水分不足になりやすいものです。
妊娠中の水分補給はママの血液の循環を良くするだけでなく、お腹の赤ちゃんに届ける血液にも好影響。
妊娠中のお腹の赤ちゃんの発育を助けるためにも、こまめな水分摂取を心がけてくださいね。