妊娠9週目を経て妊娠10週目に入ると、つわりがピークでひどい方とピークが落ち着く・軽くなる方、が分かれるおり返しのタイミング。また、お腹の膨らみを感じるとともに流産の山場も一旦落ち着きはじめます。
そんな10週目の妊婦さんに向けて、
- 妊娠10週目の大きさ・赤ちゃんの様子
- 妊婦さんの症状や流産の有無
- この時期に心がけたい過ごし方・注意点
についてお伝えします。
目次
妊娠10週目、お腹の赤ちゃんの成長・大きさ
お腹の膨らみ・大きさ
外見上はまだそれほど妊娠前と変わりませんが、子宮の大きさが大人の握りこぶしほどで下腹部がややふっくらしてきます。
妊娠10週目に入ったのですがお腹がポッコリです。
今日職場の人に『お腹が少しポッコリしてきたね』と言われました。
確かに自分でもそう思います。旦那に見せても、笑いながら『お腹だけボコってしてる』と笑われました(+_+)
現在妊娠10週目のユーです。もうすぐ11週目に入るんですが、もうほんとビックリするくらいお腹が出てるんです!下腹がポッコリと。もともとやせてるほうなので、お腹だけがすごく目立ちます!ジーパンも入らなくなりました。
胎児として成長
大きさは3~5cm、重さも5~12gほど。骨格がしっかりしてくるので見た目も2頭身から3頭身へと変わり、胎児として赤ちゃんらしい形になります。
手足の先まで神経が行き届くようになるので手足を自由に動かすことができるように。歯(乳歯の芽)や髪の毛が形成され、爪も発達し、脳・心臓・肝臓・胃・腎臓などの臓器の原型もできあがります。
心音
赤ちゃんの心臓がほぼ完成。これまで以上にハッキリと心音が聞こえるようになります。1分間の心拍数は170回前後。早いようですが、これが赤ちゃんの正常な心拍数ですので心配する必要はありません。
【動画】エコー(超音波写真)の様子
なお、エコー写真は感熱紙に印刷されていることがほとんど。そのままでは劣化してしまうので、保存をする場合はスキャナーでスキャンしたり、スマホで写真を撮り直しがおすすめです。
性別判断
女の子は膣、男の子は睾丸が形成されはじめますが、この時点ではまだエコーで性別を確認することはできません。
ダウン症確認
近年の超音波検査は3D・4Dが増え、よりリアルに胎児の様子を確認することができるようになりましたが、まだ確実性のあるダウン症の特徴らしきものは見られません。
妊娠10週目、妊婦さんの様子・症状
血管が浮く・血液量の増加
子宮や胎盤にたくさんの血液を回すため体内の血液量が増加するので血管が広がり、足・乳房・お腹周りの血管が浮き上がって見える人も。また、赤ちゃんに届ける血液が増えるのでママの貧血にもご注意ください。
むくみ
血液の量が増加した影響で足がむくみやすくなります。下肢を持ち上げる・水分を摂取する、などの工夫が必要です。また、むくみが強くなると同時に疲れも溜まりやすくなりますので定期的にマッサージをしてむくみを軽減させましょう。
下腹部痛
どんどん大きくなる赤ちゃんを支えるために分泌されるリラキシンの影響で下腹部痛を起こすことも。適度に横になる・締め付けのキツい衣類を避けて緩めの洋服を着用する、など体にかかるストレスを軽減させましょう。
下痢・便秘
プロゲステロン分泌の働きで腸の運動が低下し、つわりで十分に栄養が摂れないこともあり妊娠初期特有の下痢や便秘になりがちです。ひどい場合、市販薬は避けて医師に相談しましょう。
腰痛
妊娠すると分泌されるホルモンのリラキシンが影響して関節が緩まり骨の力が弱くなるため、周辺の筋肉に負担がかかりやすくことで腰痛になります。
また、子宮が大きく・重くなることで腰周りの負担が増えることも腰痛に影響します。ひどい場合は腹帯で緩和する・寝方を変える、など工夫してみましょう。
関節痛
胎児が大きくなるにつれ子宮や子宮を支える骨盤も少しずつ大きくなり、左右の骨盤を繋いでいる下部にある恥骨結合が緩みます。その緩みが股関節にも影響し、痛みを感じることがあります。
股関節周囲の筋肉をほぐすようにストレッチをする・お風呂に浸かって血行を良くする、など心がけてください。
色素沈着|シミ・あざ
妊娠中に分泌量が増えるホルモン(プロゲステロン)の影響でシミ・あざなど色素沈着がでやすくなりますが、出産後には分泌が落ち着き自然に薄くなることがほとんどです。
胸のかゆみ・かさつき・張り
乳輪周囲のかゆみ・かさつきが増えやすくなります。ベビークリームや胸専用のクリームをこまめに塗り、着用する下着の素材も低刺激のものにしましょう。特に妊娠中は皮膚が敏感になりトラブルも増えやすいのでご注意ください。
おりもの・カンジダ膣炎
茶色いおりものや小量の血が混ざったようなおりものが見られることは珍しくありませんが、かゆみを伴う白いカッテージチーズのようなボロボロとしたおりものが見られた場合、カンジダ膣炎の可能性があります。早めに医師に相談してください。
感動しやすい・涙もろい
妊娠すると女性はより繊細・敏感になり、涙もろくなった・感動しやすくなった、という人も少なくありません。
症状がない
つわりをはじめとする各症状を感じない人もいますが、妊娠中であることに変わりありません。お腹に赤ちゃんがいることを忘れないようにご注意ください。
10週目のつわりはピーク?落ち着く?
妊娠10週目はつわりがピークの方とピークが過ぎて落ち着きはじめる人の境目となるタイミング。
つわりが落ち着くと食欲が増すので体重管理に注意
つわりが落ち着くに伴い食欲が増加する傾向があるため食べ過ぎには注意。急激な体重増加や肥満はママの妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクを高め、胎児にも悪影響を及ぼします。体重管理に注意し、バランスの良い食事を心がけてください。
関連記事 妊娠中の体重管理のコツは?ストレス無くこの時期を乗り超える方法
妊娠10週は吐き気もおさまる
つわりで一番影響するのが吐きつわりですが、つわりが治まりだすことで吐き気からも徐々に解放され、これまで辛かった生活が落ち着き出してきます
食べられるものを食べる
つわりがまだピークの場合、バランスの良い食事・栄養摂取は難しいので自分が食べることができるものを食べてください。
ストレス解消を
つわりがひどいときはママのストレスも溜まりがちです。軽めの運動・マッサージ・お風呂・アロマなど、つわりによるストレスを抱えたときの対策をいくつか用意しておくと良いでしょう。
妊娠10週の流産の確率や兆候
妊娠10週の腹痛・出血・おりもの
妊娠9週目の壁を越えたとはいえ流産リスクがゼロになったわけではありません。強い腹痛・不正出血・おりものの異常があれば注意してください。
「灰色のおりもの」は特に注意!細菌性膣炎の症状として見られるもので胎盤や羊水にまで炎症が進むと流産の可能性もあります。異常が見られたらすぐに医師に相談しましょう。
妊娠初期流産の兆候・確率
妊娠10週目の流産は胎児側に問題がある場合がほとんど。流産の兆候として以下があるので覚えておきましょう。
[流産の兆候]
- 今まで酷かったつわりがピタリと止まった
- 体温が急に下がった
- お腹が冷たくなってきた
- 胸の張りが急になくなってしまった
大量の出血は切迫流産の可能性
小量の出血は珍しいことではありませんが、出血量が多い・いつまでも出血が止まらない・腹痛や腰痛を伴う、といった場合は切迫流産の可能性があります。
いずれにしても「おかしいな・・・」と感じたらすぐ医師へ相談してください。
妊娠10週目で心がけたい過ごし方
1.食生活
胎児の骨や筋肉が急激に成長する時期、カルシウムを積極的に摂取しましょう。血液・骨・血管を形成するコラーゲンの働きや、鉄分の吸収をサポートするビタミンcもあわせて摂取るのがおすすめです。
また、ママ自身も便秘になりやすい時期のため整腸作用を考え食物繊維・オリゴ糖・乳酸菌・ビフィズス菌を含む食品を摂るよう心がけましょう。
2.タバコ・アルコール・カフェインは控える
タバコやアルコールは流産・早産・低体重児・奇形児のリスクを高め、カフェインは胎児の先天性異常・生まれた赤ちゃんが興奮しやすくなる・夜泣きをしやすくなる、などの可能性を高めるので控えましょう。
3.めぐり・血液循環
血液循環が悪くなると静脈瘤の可能性があります。締め付けのキツい服を避ける・長時間立ちっぱなしや座りっぱなしにならない・座るときは足を組まない・足を持ち上げる、など心がけましょう。
4.出生前診断
妊娠10週目は胎児に染色体異常や先天性の病気がないか?を調べる「出生前診断」が可能になります。特に35歳以上の高齢出産の場合、診断を受けることを勧められる場合が多く、必ず受ける必要のある検査ではありませんがパートナーと相談のもと、診断を受けるかどうか?決めましょう。
5.マタニティアイテム
お腹が大きくなり動きづらくなる前に妊娠中期に向けた準備をはじめましょう。マタニティ用の下着・シューズなどを揃えてください。また、この時期から締め付けのきつい洋服はでいるだけ避け、妊婦さん向けの部屋着(マタニティルームウェア)などの楽な服装を心がけましょう。
6.妊娠線予防
大きくなるお腹に皮膚がついていけずに真皮が裂けることによって起こる妊娠線。1度できてしまうと完全には元に戻りませんので早めのケア(専用のクリームなどを用いて保湿ケア)を開始しましょう。
関連記事 妊娠線が気持ち悪い、ひどすぎる!消す方法としては何がおすすめ?
7.スキンケア対策
妊娠線対策以外にも、つわりやホルモンバランスの影響で肌トラブルが起こりやすい時期。低刺激のスキンケア化粧品をはじめ、ひどい場合はかかりつけのお医者様にご相談の上、皮膚科を受診しましょう。
8.感染症対策
感染症はママだけでなく、お腹の赤ちゃんにも影響する可能性があります。手洗いうがい・人ごみに行かない・食品の衛生管理・規則正しい生活・体調管理など予防を心がけてください。
9.母親学級
病院や自治体で実施されている母親学級へ参加すると様々な指導を受けることができるだけでなく、誰かと話すことで気分転換にもなります。同じ時期に出産予定のママたちとも交流できると一人で不安を抱えているママには心強いですよ。
10.パパと検診・理解を増やす
お腹に赤ちゃんがいることで一心同体のママとは違い、どうしてもパパは父親としての実感が湧きづらいもの。一緒に検診を受け、実際にエコーの様子を見たり心音を感じることでパパとしての自覚も芽生えやすくなり、妊娠への理解も増えるでしょう。
11.職場へ妊娠報告
妊娠中は普段通りの活動ができないこともあるので事前の職場報告は大切です。職場の上司には妊娠していることを伝え、できるだけフォローしてもらえるようにしましょう
また、自身でも休み時間は外に出て気分転換や少しでも横になるなど、妊娠症状でツラいときの職場でのリラックス対策を心がけてください。
12.葉酸で赤ちゃんの神経管閉鎖障害リスクを減らす
なお、胎児が健やかに成長するためにこの時期妊婦さんが摂取しておきたいのが葉酸です。
お腹の赤ちゃんの成長が著しい妊娠初期時に葉酸が不足すると無脳症や二分脊椎など、先天性異常のリスクが高くなることが分かっており、厚生労働省からも妊活中の女性や妊娠初期の妊婦さんには葉酸の摂取が推奨されています。
出典:厚生労働省
葉酸は緑黄色野菜などの食材にも含まれていますが、妊娠時に必要な1日の葉酸量は普段の食事だけで補うことが難しいため、厚生労働省でも妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月までは普段の食事から摂取できる葉酸に加え、付加的に1日400μgの葉酸を食事以外の栄養補助食品(葉酸サプリ)で摂取することを推奨しています。
参考出典:厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」
参考出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」
参考出典:葉酸普及研究会
- 日本の先天性異常のリスクはアメリカの8倍!
例えば、アメリカやイギリスでは葉酸摂取によって、胎児神経管閉鎖障害の発生は、この10年間で約10分の1に減少した。一方、日本では、葉酸摂取の重要性の啓発に対する効果が未だ見受けられず、この10年間で胎児神経管閉鎖障害の発生率は漸増し、アメリカの8倍、イギリスの6倍となっているのが現状である
なお、日本産婦人科医会によると日本では葉酸の重要性への理解が進んでおらず、その影響でアメリカの8倍、イギリスの6倍も先天性異常が発生している現状となっており、葉酸への理解が少ない現状が大きく心配されています。
そのため、「妊娠初期に摂りたい葉酸サプリおすすめランキング|先輩ママも愛用!」でもお伝えしたように、特に妊娠初期は葉酸不足にならないよう妊娠初期時に必要な葉酸量をサプリを活用して補ってくださいね。
- 参考:おすすめ葉酸サプリ
\ 妊娠初期に必要な葉酸を摂取できる!ベルタ葉酸サプリ /
夫婦でお腹の赤ちゃんの成長を助ける
ママとしての自覚もどんどん強くなっていくるのが妊娠10週目。パパにも一緒になって妊娠へ積極的に関わってもらうよう促しながら、安定期目指して引き続きお腹の赤ちゃんの健やかな成長を助けていきましょう。
【参考】
この一週後は「妊娠11週目、お腹の大きさは?つわりは落ち着く?流産の兆候は?」で紹介しています。
この一週前は「妊娠9週目、つわりやお腹の大きさは?流産の確率はまだある?」で紹介しています。