赤ちゃんを包んでいる袋「胎嚢」。この「胎嚢」が確認出来ることが妊娠を示すひとつのポイントとなります。とはいえ、この時期は流産やなんらかのトラブルを起こしやすい繊細な時期でもありますから「胎嚢が確認出来たからとって安心できない!」という不安を感じている人も少なくありません。
そこでこの記事では、
- 胎嚢が確認出来る時期や流産の危険性
- この時期の過ごし方で心がけるべきポイント
について詳しくお伝えします。
目次
胎嚢(たいのう)とは?
「胎嚢」は赤ちゃんを包んでいる袋のことで、胎嚢が確認されることで妊娠が確定するひとつの重要なポイントになります。しかし、この胎嚢が確認されただけでは正常な妊娠が確定するというわけではなく、他にも「胎芽」「心拍」の2つが確認されなければなりません。「胎嚢」「胎芽」「心拍」の計3つが確認されて初めて正常妊娠と診断されることになります。
胎嚢の大きさは?
胎嚢は楕円形の形をしています。大きさには個人差があり、多少小さめでも心配する必要はありません。中には流産の危険性を伴うような胎嚢もありますが、小さめだからといって流産と直結することはありません。ちなみに、妊娠5週目胎嚢の大きさは、約6~13mm程度が目安となります。
▶ 胎嚢が小さいと言われたら
なお、胎嚢が目安よりも小さいといわれ心配なときは「胎嚢が小さいと流産の原因?妊娠5週6週の平均的な大きさは?」もご参考になってください。
胎嚢を確認できる時期はいつ?
一般的に胎嚢が確認出来る時期は「妊娠5週前後」だといわれています。多くの妊婦さんが妊娠4週~5週頃に胎嚢を確認出来ているようです。最近では妊娠検査薬の精度が上がり、早い段階で妊娠が分かるようになりました。なお、あまり早い段階で産婦人科を受診しても、胎嚢が確認出来ない場合がありますが、だからといって落胆せず、しばらく時間を置いてから再度診察を受けるようにしてください。遅い人でも妊娠7週頃には胎嚢を確認することが出来るでしょう。
一般的に胎嚢は何週から確認できる
一般的に胎嚢が確認出来る時期は「妊娠5週前後」だとされています。しかし、胎嚢が確認出来る時期には個人差があり、中には妊娠7週に入ってようやく胎嚢が確認出来たという人もいます。そのため、妊娠5週で胎嚢が確認出来なかったとしても異常なこととしてとらえず、医師の指示に従いながらもうしばらく様子を見るようにしてみましょう。
胎嚢の確認方法は?
胎嚢の確認方法は、産婦人科を受診して「尿検査」と「超音波検査」によって確認する必要があります。中でも超音波検査の方法には「経腹法(けいふくほう)」と「経膣法(けいちつほう)」との2種類があり、「経腹法」は超音波の機械をお腹に当てて見る方法で、「経膣法」は超音波の機械を膣内に入れて見る方法となります。特に妊娠初期は子宮内が鮮明に確認出来る「経膣法」を用いて胎嚢を確認することが多いでしょう。
胎嚢が確認できないこともある
一般的に胎嚢が確認出来る時期は妊娠5週頃だといわれていますが、このタイミングには個人差がありますので、妊娠5週をすぎてもなかなか胎嚢が確認出来ずに不安になってしまう人も少なくありません。ですが、だからといってすぐに「流産」や「異常妊娠」と直結せず、しばらく様子をみながら赤ちゃんの成長を見守ることになります。
受診する時期が早すぎた
胎嚢が確認出来ない理由の1つとして【受診する時期が早すぎた】という可能性があります。一般的な妊娠検査薬は生理予定日の1週間後から使用できるものが多いですが、それ以前に検査をしたり、フライング検査薬を使用して陽性反応が見られた場合は時期が早すぎるために病院で胎嚢を確認出来ないケースがあるのです。そのため、焦る気持ちはわかりますが、あまりに早すぎる受診は控えた方が良いでしょう。
妊娠週数の数え方が間違っている?
【妊娠週数を勘違いしていたための胎嚢が確認出来ない】というケースも多々あります。妊娠週数は最後の生理初日から数えます。ですが、生理周期は人によって違うので週数にも大きな差が生まれてしまうのです。
また、もともと生理不順の人の場合はそのときによって生理周期がバラバラになってしまいやすく、生理予定日なのに生理が遅れていると思っていても実際には遅れていないというようなこともあります。つまり、妊娠5週目だと本人は思っていても実際は妊娠5週に満たない場合に病院で検査しても胎嚢が写らない、ということになります。生理周期がもともと長い人・不規則な人は妊娠週数の数え方にも注意する必要があることを覚えておくと良いでしょう。
胎子宮外妊娠の可能性
「子宮外妊娠」は子宮以外の場所で妊娠してしまうことをいいます。子宮外妊娠であっても妊娠検査薬を使用すると「陽性」の反応が出ますので、胎嚢が確認出来ない場合はこの子宮外妊娠である可能性も考えられます。特に妊娠6週を過ぎても胎嚢が確認出来ない場合は子宮外妊娠を疑うことになるでしょう。ですが、中には妊娠7週頃でようやく胎嚢が確認出来たという人もいます。個々人の体質などにも影響される面があるため、厳密な判断を希望する場合は医師の判断と指示を待るのが良いでしょう。
子宮外妊娠の場合、卵管内に着床して妊娠が成立してしまうことが多いとされています。卵管で赤ちゃんが成長しようとすることで卵管が破裂してしまうと、激痛や大出血を起こす危険性があります。そのため、子宮外妊娠になると母体への負担や命の危険を考慮しなければなりませんので、早期発見・早期治療が重要となります。
流産の可能性
陽性反応が見られても胎嚢が確認出来ない場合は「流産」の可能性が考えられます。「流産」は妊娠22週より前に妊娠が継続できなくなり、赤ちゃんが流れてしまうことをいいます。なお、妊娠初期の流産の場合、原因は胎児の染色体異常など「赤ちゃんの側」に原因があることがほとんどですママの普段の行動がこの流産の原因となることはほとんどありませんので、早い段階で流産してしまっていたとしても自分自身を必要以上に責める必要はありません。
胎嚢の確認が遅い人もいる【体験例】
私は前回、心拍確認後に8週目で完全流産しました。全然無理もしていないし、ゆったり過ごしていたのにある日出血に伴いそのまま・・・と言う感じです。
今妊娠19w5dですが、今回私もすごく成長が遅かったです。5w0dで受診するも、胎嚢は4.4mmで、大きさからは4w程度と言われました。更に7wでは一応胎芽も見え、心拍確認出来たものの、赤ちゃんのサイズは3mmほどしかなく、胎嚢も10mmほどで、2週間も経っているのに胎嚢は6mmしか成長していないし、赤ちゃんや胎嚢のサイズからは5w6dの大きさと言われてしまいました。
前回はそれでももう少し胎嚢も成長していたし、心拍確認出来ていた時にも順調ですなんて言われていたのにダメで、今回は先生からは少し小さ目だね、排卵が遅れたのかな?なんて言われてしまいましたが、排卵に遅れはありませんでした。基礎体温も付けていて排卵日は分かっていたし、生理周期は毎月ぴったり28日周期だったので。だからすっごく不安でした。
なので、念のため8週目で診てくれるようお願いし、診て貰いました。すると赤ちゃんはすごく成長しており、胎嚢も大きくなっていました。前の検診時に1週間も小さいと言われていたのに、8週目には7週後半くらいの大きさと言われ、ほぼ週数に変わりなしと言われました。
そして9週では週数通りの大きさと判断され、母子手帳も無事に貰えましたよ^^それから、赤ちゃんは順調に成長し、何とか今19週目まで頑張ってくれています。出産まで不安はありますが、私のようなケースもあるので、そう落ち込まないで下さいね^^
私の友達は出血がだらだら続いていても7週目で胎嚢が確認されて無事元気な赤ちゃん産みましたよ!人によってエコーに写りにくい場所に胎嚢がある場合があると先生から聞いたこともあります。でも茶おりが鮮血になったり下腹部痛がでたらすぐに病院に行って下さい。無事元気な赤ちゃんに会える事を祈っています。
二人目の時に六週目で胎嚢の確認が7週二日でした。8週三日で不安と戦いながら訪れた健診で内診台にあがって足を開いた途端に大出血…コップ一杯分は出ました。先生もわたしもパニクりました(>_<)心拍が確認出来たけど弱いと言うことで即座に入院。三日後には茶おりもの程度になり退院し無事出産まで順調にいきました。今回も排卵日当日のみの(数えで二週目)性行で心拍確認にやはり8週までかかりました、六週0日になにも写らず7週1日で胎嚢のみ確認…またもや毎日知恵袋ばかり覗いてました(–;赤ちゃんの生命力信じましょう!
胎嚢の確認後に流産してしまう確率は?
胎嚢だけが確認出来ても、それだけではまだ正常に妊娠が成立したとはいえません。一般的には胎嚢が確認された後の流産の確率は約15%とされています。また、胎嚢のほかに胎芽・心拍まだでが確認されたあとの流産の確率は約5%にまで低下します。このように、胎嚢が確認出来てもまだ油断は出来ないのです。
胎嚢がいびつ=流産ではない
胎嚢がいびつと診断されたからと言って=流産と決まったわけではありません。流産の可能性も無いとは言えないのですが、確率としては半々といったところでしょう。流産でない場合の胎嚢のいびつさは「絨毛膜血腫」である可能性が挙げられます。(絨毛膜化血種がいびつに見える原因になるうるとされています。)仮に胎嚢がいびつだと指摘されても無事に出産を迎えることができた妊婦さんもいますから、まずは産婦人科の医師の指示に従うようにしてください。
出血に注意?流産の原因は?
初期に起こる流産の主な原因は「胎児の染色体異常」だとされています。流産の多くが妊娠初期で起こりやすく、予兆として「不正出血」や「激しい腹痛や腰痛」、「つわりの消失」などがあります。とくに不正出血には注意が必要です。いつまでも出血が止まらなかったり、量が増えていったり、腹痛を伴うようなら流産の可能性も考えられますので、早めに受診して医師の診察を受けるようにしてください。なお詳しくは「染色体異常による流産・ダウン症への影響は?何に心掛けるべきか?」でもお伝えしていますので、あわせてご参考になさってください。
正常妊娠を確定させる3つの条件とは?
お伝えしてきたように胎嚢が確認出来ただけではまだ妊娠が成立したとはいえません。「胎嚢」「胎芽」「心拍」の3つが揃って初めて正常な妊娠が成立したといえるのです。そこで、これら3つについてもつ詳しく知っておいてください。
胎嚢確認
赤ちゃんを包んでいる袋である「胎嚢」が確認出来る時期は、妊娠5週目頃が一般的だとされています。妊婦さんの多くが妊娠4週後半から妊娠5週頃に胎嚢を確認出来ているようです。とはいえ、胎嚢が確認される時期は人によって差がありますから、もう少し遅い時期になって「ようやく胎嚢が見えた!」という人もいます。妊娠5週目で胎嚢が確認出来なかったとしても落胆せずにもう少し様子を見てあげてください。
胎芽確認
「胎芽」=「赤ちゃん」です。
この胎芽が確認出来るのは、一般的には妊娠6週頃だといわれていますが、個人差が大きく、「妊娠5週~妊娠8週以降」と幅広く時期が広がっています。正常妊娠の場合、妊娠8週になれば胎児心拍動が確認されるとされていますから、遅くとも妊娠8週頃までには胎芽が確認されるでしょう。妊娠5、6週頃でまだ胎芽が確認出来なかったとしても、次の検診まであまり心配せずにリラックスして待っておきましょう。
心拍確認
赤ちゃんが順調に成長しているかどうかを判断する上で「心拍」の確認もとても重要なポイントに。心臓は赤ちゃんの全身に心臓や栄養を運ぶために必要不可欠ですから早い段階で作られるとされています。一般的には、妊娠6週頃になると心拍確認が可能になるでしょう。
ですが、排卵日がずれたり週数の数え間違いなどで胎嚢の確認時期がずれるのと同じように、心拍の確認時期もずれることが珍しくありません。ですから、妊娠6週をすぎても心拍が確認出来なかったとしても、数日~1週間後に再度受診することで確認出来ることが多いようです。その際はもう少し様子をみるようにしましょう。
胎嚢の確認後にママが心掛けたい過ごし方は?
体調管理や栄養管理
「胎嚢」「胎芽」「心拍」の3つが確認出来れば流産の確率はぐっと低くなります。また、妊娠初期の流産の原因は赤ちゃん側にあることがほとんどですからママが自分自身を責める必要はないものです。とはいえ、絶対に流産しないとは言い切れませんし、実際に流産してしまったら、それがいくら赤ちゃん側に原因があったとしてもママは自分自身を責めてしまいますし、そのショックや悲しみは相当なものでしょう。ですから、ママはそんな思いをすることのないよう、体調管理や栄養管理に気を配っておくことが大切なのです。
食事は出来るだけ栄養バランスの整った食事を心がけ、特に妊娠に必要だとされている「ビタミンB群」を積極的に摂るようにしましょう。食事だけで栄養バランスを整えることが難しい場合は「サプリメント」の活用も是非検討してみてください。サプリメントで栄養を補っているママはたくさんいますよ。
また、普段の生活リズムを整えることもとても大切。質の高い睡眠をしっかりとり、出来るだけストレスの少ない生活を送るよう心がけてみてください。
先天性異常のリスクに注意
胎嚢が確認される時期に気をつけたいのが胎児の先天性異常のリスクに関して。
お腹の赤ちゃんが健やかに成長するためにこの時期妊婦さんが摂取しておきたいのが葉酸です。
特に妊娠前~妊娠初期(妊娠5週頃)は、お腹の中の赤ちゃんの成長にとってとても重要な時期。
この時期に葉酸が不足すると「無脳症」や「二分脊椎」など、先天性異常のリスクが高くなることが分かっているのため、厚生労働省からも妊活中の女性や妊娠初期の妊婦さんには葉酸の摂取が推奨されています。
出典:厚生労働省
葉酸は緑黄色野菜などの食材にも含まれていますが、妊娠時に必要な1日の葉酸量は普段の食事だけで補うことが難しいため、厚生労働省でも妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月までは普段の食事から摂取できる葉酸に加え、付加的に1日400μgの葉酸を食事以外の栄養補助食品(葉酸サプリ)で摂取することを推奨しています。
参考出典:厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」
参考出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」
参考出典:葉酸普及研究会
- 日本の先天性異常のリスクはアメリカの8倍!
例えば、アメリカやイギリスでは葉酸摂取によって、胎児神経管閉鎖障害の発生は、この10年間で約10分の1に減少した。一方、日本では、葉酸摂取の重要性の啓発に対する効果が未だ見受けられず、この10年間で胎児神経管閉鎖障害の発生率は漸増し、アメリカの8倍、イギリスの6倍となっているのが現状である
なお、日本産婦人科医会によると日本では葉酸の重要性への理解が進んでおらず、その影響でアメリカの8倍、イギリスの6倍も先天性異常が発生している現状となっており、葉酸への理解が少ない現状が大きく心配されています。
そのため、「妊娠初期に摂りたい葉酸サプリおすすめランキング|先輩ママも愛用!」でもお伝えしたように、特に妊娠初期は葉酸不足にならないよう妊娠初期時に必要な葉酸量をサプリを活用して補ってくださいね。
- 参考:おすすめ葉酸サプリ
\ 妊娠初期に必要な葉酸を摂取できる!ベルタ葉酸サプリ /
まとめ
胎嚢が確認出来ると「妊娠確定!」と喜んでしまいがちですが、まだまだ何が起こるか分かりません。あまり神経質になる必要はありませんが、定期的な診察はきちんと欠かさず受けるようにして、しっかり赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。中には胎嚢が小さいことで不安になってしまうママもいるでしょうが、胎嚢が小さい=流産というわけではありません。ママはママの出来ることをしっかり行いつつ、赤ちゃんの生命力と成長を信じてあげてくださいね。