胎児が健やかに成長してほしいから栄養を送り届けたい
万が一、栄養不足が原因で生まれてくる赤ちゃんに影響が出てほしくない
など妊娠中に気になってしまう妊婦さんに向けて、
- 胎児はどのように栄養補給をするのか?
- 胎児が無事の出産を迎えるためにママから送り届けたい栄養
についてお伝えします。
目次
胎児に栄養がいく方法・仕組み
胎児はどこから栄養を補給する?【胎児の栄養源】
妊娠してお腹に一人の命が宿ると、その命は10ヶ月という期間を経て赤ちゃんとして生まれます。
この10ヶ月という期間は人の一生の内で“人が一番に成長する非常に重要な期間”とされています。
その間、胎児はママの体を通じて栄養を補給していきます。
そのため、妊娠期間中におけるママの栄養補給がお腹の赤ちゃんの健やかな成長・その後の出産に向け、非常に大きな役割を持ちます。
妊娠中の栄養不足は胎児の成長に悪影響
妊娠中の栄養不足は低出生体重児のリスクを高めます。
低出生体重で生まれる赤ちゃんは10人の一人の割合とされており決して少ない数字ではありません。
そのため、少しでもリスクを減らす必要があります。
また、妊娠中の栄養不足は以下症状を発症する危険性があります。
[症状例]
- 高血圧
- 脳梗塞
- 冠動脈疾患
- 神経発達異常
- 脂質代謝異常
- 2型糖尿病
- 血液凝固能の亢進
特に妊娠初期は赤ちゃんへの栄養提供が欠かせない
妊娠初期は赤ちゃんの体の各器官が形成される細胞分裂がさかんな時期。
そのため、特に妊娠初期は細胞の生成を助ける栄養素である「葉酸」の摂取が欠かせません。
詳しくは後述する「妊婦さんが摂るべき胎児に必要な栄養素」をご参照ください。
妊娠中の栄養補給が胎児・ママに大切である5つの理由
1.胎児の成長を助ける[妊娠中・産後の子どもへの影響]
お腹で成長している間に必要な栄養が補給されてないと以下のリスクが高まりお腹の赤ちゃん(胎児)が健やかに成長するかどうか?に大きく影響します。
[リスク例]
- 流産のリスク
- 生まれてきたときに障害を持ってしまう
- 出産後に生活習慣病にかかりやすくなる・出生体重が少なくなる
など。
参考出典:日本の子どもたちが危ない! 胎児期の栄養状態で一生の健康が決まる|福岡秀興先生インタビュー
2.IQ(知能指数)にも影響[産後の子どもへの影響]
妊娠中のママが十分な栄養補給をすることは母胎にいる子供の脳の発達にも深く関わっており、IQが高くなるという研究結果も出ています。
参考出典:妊娠中の果物摂取、子供の知能向上に影響か
3.自閉症[産後の子どもへの影響]
米国医師会雑誌・通称JAMA誌2013年2月13号掲載のノルウェー公衆衛生研究所の発表によると、小児8万5176人とそのお母さんを対象にした調査で、お母さんが妊娠前後に葉酸を摂取する事で自閉症児が生まれるリスクが低下することがわかりました。
4.産後ママの悩みが軽減[産後の子ども・ママへの影響]
栄養満点な栄養補給ができたママから生まれてくる子は、ママと同じように栄養満点であることが多く、病気やアトピーなどが発症しにくいと考えられています。また、大きな夜泣きをしない子になるとも言われ、産後の子育てにおけるママの悩みが軽減されます。
5.ママの体を助ける[妊娠中・産後ママへの影響]
お腹の赤ちゃんに注目が集まりがちですが「ママ自身」の健康のためにも栄養補給は欠かせません。
妊娠中に摂取した栄養素の多くはお腹の赤ちゃんに吸収されてしまうため、ママ自身の栄養が不足して体調を崩しやすくなります。
ですが、栄養不足のままで出産するとホルモンバランスを崩しやすく、産後の抜け毛にも影響します。
関連記事 産後ハゲはいつまで続く?出産後のひどい抜け毛の原因と対策
妊婦さんが摂るべき胎児に必要な栄養素
葉酸
葉酸は別名「赤ちゃんのためのビタミン」とも呼ばれ、葉酸を積極的に摂ることで赤ちゃんの先天性疾患の1つである「神経管閉鎖障害」のリスクを減らす効果があることが分かっており、2000年より厚生労働省、2002年より母子手帳でも強く推奨されています。
[主な役割]
- 細胞分裂を促して神経障害や流産などのリスクを減らす
- 脳の発育を助け、神経を作る
- 赤ちゃんへ酸素を運ぶ赤血球を形成
- 先天性異常の二分脊椎症や無脳症のリスク低減
[食事摂取例]
レバー(30~50g)・うなぎのきも(100g)・うに(100g)・卵黄(285g)・ほうれん草(200g)・サニーレタス(330g)、など毎日摂取すれば葉酸の1日の基準値である400μgが摂取できます。他にもブロッコリー・みかん・キウイ・甘柿・パパイヤからも葉酸を摂取できます。
- 日本の先天性異常のリスクはアメリカの8倍!
例えば、アメリカやイギリスでは葉酸摂取によって、胎児神経管閉鎖障害の発生は、この10年間で約10分の1に減少した。一方、日本では、葉酸摂取の重要性の啓発に対する効果が未だ見受けられず、この10年間で胎児神経管閉鎖障害の発生率は漸増し、アメリカの8倍、イギリスの6倍となっているのが現状である
日本産婦人科医会によると日本では葉酸の重要性への理解が進んでおらず、その悪影響が大きく心配されています。
特に妊娠初期までは葉酸不足にならないよう必要な葉酸量を普段の食事や専用のサプリを活用して補ってくださいね。
- 参考:おすすめ葉酸サプリ
\ 妊娠初期に必要な葉酸を摂取できる!ベルタ葉酸サプリ /
ビタミン
特に必要なビタミン類はビタミンB1、B2、B6、B12、C、A、そして葉酸。
妊娠期はママの健康やお腹の赤ちゃんの成長促進に、産後の授乳期は母乳の分泌と母乳の栄養分を高めるために必要になる栄養分です。
[主な役割]
- つわりの予防、イライラの軽減(B6)
- 葉酸と協力して血液を作る・悪性貧血の防止(B12)
- 骨格形成などに深く関わる栄養素(A)
- 皮膚や粘膜を丈夫に保つ働き(感染予防)(A)
[食事摂取例]
モロヘイヤ・人参・鶏レバー(A)、レバー・鮭・豚肉(B6)、豚肉・レバー・牛乳・チーズ・牛肉(B12)
鉄分
妊娠中のお腹の赤ちゃんに血液を送る際に必要となる鉄分。ママの体から多くの割合で消費されやすいためママ自身が鉄分不足にかかりやすく、貧血・ふらつき症状に繋がるために普段の生活に悪影響。
また、出産には大量の出血が伴うので妊娠初期の段階から鉄分補給を行わないと産後すぐに鉄分不足になりやすく危険です。
[主な役割]
- 神経組織の発達や造血のサポート
- 貧血・ふらつき予防
[食事摂取例]
レバー[豚、鶏](68g~160g)・にぼし(41g~100g)・ひじき[※乾燥状態の重量](15g~40g )・貝類(180g~450g)・納豆(220g~550g))など毎日摂取すれば鉄分の1日の基準値を摂取できます。他にも豚肉・マグロ・カツオ・イワシ・貝類、などからも摂取できます。
▶ 通常時と比較
なお、一般的な成人女性(且つ、生理のある状態での妊娠対象年齢の女性)が1日に必要とする鉄分の摂取量(推奨量)は10.5~11.mg。それに対して、妊娠初期は+2.5mg、中期・末期(後期)は+15.0mg必要になってきます。
カルシウム
鉄分同様、母胎の赤ちゃんに吸収されやすいカルシウム。
カルシウムは一緒にマグネシウムを摂取することで吸収率が高まりますので、
【カルシウム:マグネシウム=2:1】
このバランスで摂取するのが一番の理想的。他にもビタミンDもカルシウムの吸収を助ける働きを持ちます。
[主な役割]
- お腹の中の赤ちゃん自身の骨や歯などの成長
- 妊娠中ママのカルシウム不足になると『骨粗しょう症』予防
[食事摂取例]
ししゃも・ヨーグルト・チーズ・小松菜・エビ・大豆食品・低温殺菌された牛乳など。
参考出典:日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要(PDF)|厚生労働省
その他
亜鉛(赤ちゃんがお腹の中で正常に細胞分裂を行うよう促す・赤ちゃんの正常な味覚を作る)、タンパク質(赤ちゃんの脳や皮膚、髪の毛を作る・鉄分やカルシウムの吸収を助ける)、DHA・EPA(脳の機能と知能を高める)、などもこの時期に摂取したい栄養素。
妊娠中は食事だけでは胎児に必要な栄養は摂りきれない
厳密な食事管理は毎日続けられない
完璧な栄養バランスを求めるなら日々の献立内容を見直す必要があります。
[食事例]
- お米を「発芽米」にしてミネラル分を摂取
- 異種タンパク(人間のタンパク質とは違うタンパク質)を摂り過ぎない
- 『今日は鳥、今日は魚』とバランスよくローテーションを組む
- 調味料に気を付ける
- 緑黄色野菜を日々バランスよく摂取する
など。
できないとは言えませんが、妊娠中のデリケートな状況で必要な栄養分を完璧に摂取する・毎日の料理や献立を作り込むのは困難です。
栄養ドリンクはNG
「妊娠初期は疲れやすい。いつまで続く?お腹の赤ちゃんへの影響は?」でもお伝えしたように、妊娠中は普段より疲れやすくなるため栄養ドリンクが飲みたくなります。
ですが、栄養ドリンクにはカフェインが含まれているものが多く、仮にカフェイン抜きの栄養ドリンクでもアレルギー成分・アルコール成分などが含まれ、且つ糖質も必要以上に摂取してしまう可能性もあるので妊娠中の摂取は控える必要があります。
妊婦さん向けサプリメントで栄養不足対策
妊娠中に必要な栄養(葉酸・鉄分・カルシウム・ビタミン)を摂取するなら妊婦さん用のサプリメントの活用が効果的。
出典:厚生労働省
葉酸は緑黄色野菜などの食材にも含まれていますが、妊娠時に必要な1日の葉酸量は普段の食事だけで補うことが難しいため、厚生労働省でも妊娠1ヶ月前(妊活期)から妊娠3ヶ月(妊娠初期)までは普段の食事から摂取できる葉酸に加え、付加的に1日400μgの葉酸を食事以外の栄養補助食品(葉酸サプリ)で摂取することを推奨しています。
参考:日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要、「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」、葉酸普及研究会
- 妊婦さん向けのサプリ選びの3条件
1.妊婦さんが1日に必要な栄養量が配合されている
[妊婦さんが1日非必要な栄養]
- 葉酸:1日0.4mg(400μg)
- 鉄分:1日7.5mg(妊娠初期)、18.0mg(妊娠中期~後期)
- カルシウム:1日900mg
- ビタミンA:1日700μgRE(妊娠初期~中期)、760μgRE(妊娠後期)
- ビタミンD:1日7.0μg(上限は100μg)
- ビタミンK:1日150μg
2.無添加・無着色
食品添加物が一律一体に影響があるとは言いませんが、妊娠中のデリケートな時期は極力摂取せず、“無添加”なサプリを選んでください。
3.合成葉酸(モノグルタミン酸型の葉酸)
葉酸には天然葉酸と合成葉酸がありますが、厚生労働省が推奨する葉酸は身体への吸収率が圧倒的に高い『合成葉酸(モノグルタミン酸型)』です。
そのため、葉酸サプリも合成葉酸タイプを選んでください。
- 3条件を満たした葉酸サプリ
\ 妊婦さんに必要な葉酸を配合 /
→ 妊婦さんに必要な栄養を含んだ『ベルタ葉酸サプリ』をチェック!
【参考】薬との飲み合わせバランスも注意
もし妊娠中に薬をもらうことがあれば、サプリの成分に影響する薬もあるので、お医者さんや薬剤師さんに「どのように飲むべきか?」「飲む際の注意点は?」「このサプリ・薬は飲んでも大丈夫なのか?」など薬との飲み合わせも確認しておきましょう。
日々のママの栄養補給こそが胎児の成長を助る
胎児はママが摂取した栄養分をママの体を通じてでしか栄養を摂取することができません。
無事の出産を目指すためにもママが普段から摂取する食べ物で必要な栄養が不足しないようにご注意くださいね。